国内女子ツアー第36戦「伊藤園レディスゴルフトーナメント」では、西郷真央プロが約1年半ぶりのツアー優勝を飾りました。その大会で3位タイに入ったのが吉田優利プロ。今季はツアー1勝を挙げていますが、リカバリー率では1位なんです。しかも昨年も1位。でも、リカバリー率ってどういう数字なのでしょうか?
◆アプローチ名人は吉田優利プロ
JLPGAのホームページによると、リカバリー率とはパーオンしないホールで、パーかそれよりいいスコアを獲得する率とあります。ちなみに、パーオンとはパーの打数から2を引いた打数以内でグリーンに乗せることを言います。したがって、パー3なら1オン、パー4なら2オン以内、パー5なら3オン以内になります。グリーンに乗ったかどうかの判定は、グリーン面にボールが触れているかどうかで決まります。
さて、話はリカバリー率に戻りますが、要はグリーンを外したケースでどれだけ寄せワンを決めるかどうか、つまり、上位にいる選手はアプローチ名人と判断していいでしょう。もちろん、そこにはバンカーも含まれるので、バンカーショットも得意な選手だといえます。
そんな栄えあるリカバリー率1位にいるのが吉田優利プロです。現在は71.6338パーセントですが、2位の山下美夢有プロが69.7987パーセントなので、残り2試合という試合数を考えると、そのまま逃げ切ると思われます。実は吉田プロは昨年もリカバリー率では70.6790パーセントで1位になっています。となると、現在の国内女子ツアーでは最もアプローチが上手い選手は吉田プロといえますね。
その吉田プロですが、伊藤園レディスでは「ショットの調子がよく、いいゴルフができたと思っています」と語っていました。でも、3日間8ホールで寄せワンを決めているんですよね。しかも、アプローチで寄せ切れずにボギーを叩いたのはわずかに1ホール。バーディをたくさん獲得したこともありますが、上手くリカバリーしてボギーを未然に防いだことが3位タイという成績につながったのではないでしょうか。
◆昨年のサンドセーブ率1位も吉田プロ
せっかくなので、リカバリー率だけでなく、サンドセーブ率も見てみましょう。これは、グリーンサイドのバンカーに入ってから2打かそれより少ない打数でカップインする率になります。一般のアマチュアが俗にいう“砂イチ”を決めた率ですね。
実は、吉田プロは昨年のサンドセーブ率でも1位に輝いていました。109回バンカーショットを行い、65回パー以下で上がっています。実に59.6330パーセントでした。やはり、バンカー名人でもあったんですね。ただ、今季は48.7500パーセントで16位にまで順位を下げています。何があったのかちょっと気になるところです。変わって、今年1位にいるのが、ペ・ソンウプロです。60回バンカーに入れて、36回パーセーブ以下。実に60.0000パーセントの高確率です。ちなみに、ソンウプロのリカバリー率を見ると、64.6055パーセントで24位でした。
トッププロになると、グリーンを外したときも寄せやすいゾーンを考えてショットするといいますが、リカバリー率にしても、サンドセーブ率にしてもアベレージゴルファーには夢のような数字ですよね。
取材・文/山西英希