女子プロゴルファーの中には、高校時代に全国高等学校ゴルフ選手権(通称“緑の甲子園”)で活躍した選手が多くいます。高校ゴルフ界の名門校は、どのように優秀な選手を育て上げているのでしょうか? 2022年までに国内女子ツアーの出場資格を持つ日本勢の中で出身者が多かった高校4校を紹介します。
これらの高校は、それぞれに独自の育成方針や特色を持っており、女子プロゴルファーの多様性や個性を生み出しています。ゴルフはスキルだけでなく、メンタルやファッションなども重要な要素です。トッププロのトレーニング環境や戦略、スタイルを知ることは、読者のゴルフスキル向上やライフスタイルの参考になるでしょう。また、お子様がゴルフに興味を持っている場合は、これらの高校は進学先の候補としても魅力的かもしれません!
◆沖学園高校(福岡県)
沖学園高校は、2021年の最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」でツアー初優勝を遂げた三ヶ島かなプロをはじめ、北田瑠衣プロ、福田真未プロ、後藤未有プロなど数々の名プレーヤーを生み出しました。同校は緑の甲子園、団体の部で3度の全国制覇を果たしており、男子の時松隆光プロや重永亜斗夢プロなども輩出しています。沖学園高校のゴルフ部は、「自分に厳しく、人に優しいゴルファーであれ」というモットーを掲げ、部として行動することによりゴルファーとしての協調性・礼儀マナーを育てています。
◆岡山県作陽高校(岡山県)
岡山県作陽高校のゴルフ部は、その自由な指導方針と優れた成績で知られています。同校は、2019年の「全英AIG女子オープン」覇者の渋野日向子プロをはじめ、2021年プロテストをトップで合格した尾関彩美悠プロ、東浩子プロ、藤本麻子プロなど、多くのプロゴルファーを輩出してきました。
注目すべきは、作陽高校の指導方針。田淵潔監督は、「自由がモットー」と述べ、生徒たちには自分で考え、自分の弱点を見つけるように指導しています。また、生徒たちは自分で練習内容を選び、自由にラウンドに参加できる環境で学んでいます。
さらに、作陽高校のゴルフ部は、男子でも久常涼プロや幡地隆寛プロらの出身校でもあり、彼らもまた注目の選手です。作陽高校の自由な環境で自己の能力を最大限に引き出し、個々の強みを活かす方針もまた、多くの優れた選手を輩出させているのかもしれません。
◆東北高校(宮城県)
東北高校(宮城県)は宮里藍プロを筆頭に、菊地絵理香プロ、有村智恵プロ、木戸愛プロ、大江香織プロなどの母校だということはあまりにも有名。同校はゴルフ部の生徒に対し、高い目標と厳しい練習を課しています。自校の敷地内には練習場が設けられ、朝から夕方まで練習に励むことができる充実した環境が整えられています。練習のほかにも、勉強や他の部活動、家庭や友人との時間など、バランスの取れた生活を送ることを奨励していることが特徴です。
◆滝川第二高校(兵庫県)
滝川第二高校は、2020-2021年シーズンの女子ツアー6勝で賞金ランキング2位になった古江彩佳プロ、堀琴音プロに加えて、淺井咲希プロ、安田祐香プロが練習に明け暮れた、いわば原点と言える場所です。同校は緑の甲子園で団体の部で3度の全国制覇を果たしており、多くの実力者を輩出しています。2001年から角谷真吾監督が指導しており、自主性を重視しつつも、練習にお題を出したり、大会を視野に入れたマッチプレーを行うなど、選手たちのメンタル面を鍛えることに力を入れています。
以上、2022年までに、国内女子ツアーの出場資格を持つ日本の女子プロゴルファーを多く輩出した4つの高校を調べてみました。これらの名門校が育成した女子プロゴルファーたちは、その多様性と個性を活かし、独自のスタイルでゴルフ界を彩っています。彼女たちの活躍は、ゴルフスキルの向上だけでなく、ライフスタイルの参考にもなります。また、これらの学校は、ゴルフに興味を持つお子様の進学先としても魅力的かもしれません。
彼女たちの活躍にも注目ですが、みなさんもひとりひとりが自分のペース、自分のスタイルを見つけ、“わたし”が主役のゴルフ、バリバリ楽しんでくださいね。それがゴルフの醍醐味ですから。
取材・文/夢書房