国内女子ツアーを戦い抜いたプロも現在は疲れた体を癒し、次年度に向けて新たな鋭気を養っていることでしょう。さて、2年連続賞金女王に輝いた山下美夢有プロをはじめ、小祝さくらプロや吉田優利プロなど、小柄な選手の活躍が印象に残った2023年。女子プロゴルファーの平均身長ってどうなっているの? ということで今回は、23年のメルセデスランキング上位50人を対象に、身長について調べてみました。
◆メルセデスランキング1位は最も身長の低いあの選手!
メルセデスランキング1~50位までの選手の中で、最も身長が低いのはなんと2年連続年間女王に輝いた山下美夢有プロの150センチでした。小柄な体にもかかわらず、年間32試合に出場し、平均ストロークの新記録となる69.4322をマーク。安定感のあるショットやパットは他の選手を終始圧倒していました。もちろん、その陰には山下プロなりの努力があったからでしょう。トレーニングや練習を欠かすことなく、常に向上心を持って戦い抜いたからこそ、素晴らしい結果を得ることができたのだと思われます。
山下プロに次いで小柄だったのは、152センチの吉本ひかるプロでした。23年は開幕2戦目の明治安田生命レディスで悲願であるツアー初優勝を飾っていますが、その後はなかなか上位に入ることができず、メルセデスランキングでは48位に終わっています。24年は年間通して活躍することが課題となるでしょう。
第3位は2人います。153センチの青木瀬令奈プロと古江彩佳プロです。青木プロは開幕3戦目のTポイント×ENEOSで優勝し、自身初の年間2勝目を目標としていました。惜しい試合が何度かありながら、残り2戦となった大王製紙エリエールレディスで優勝。見事、目標を達成し、メルセデスランキングでも12位とキャリアハイで終えています。
一方、古江プロは23年も主戦場を米女子ツアーとしていたので国内女子ツアーにはわずか6試合しか出場していません。にもかかわらず、メルセデスランキングで30位に入ったのは、全米女子オープンで6位タイ、全米女子プロで8位タイと海外メジャーで上位に入ったからです。優勝こそありませんでしたが、身長が低くても海外で十分戦えることを改めて証明したと言えるでしょう。
◆モデル級! 170センチ超えはわずか3人
反対に、メルセデスランキング上位50人で最も身長が高いのは、175センチの全美貞プロでした。05年に国内女子ツアーに参戦するとすぐにシード権を獲得。以来18シーズン連続でシード権を死守してきました。23年はメルセデスランキング44位と、これまでで最も成績が悪かったものの、しっかりと50位以内に入ってくるところはさすがのひと言に尽きるでしょう。
第2位は173センチの原英莉花プロです。23年は原プロにとってまさに波乱万丈なシーズンだったといえます。腰のヘルニアの手術でしばらく戦列を離れたかと思うと、日本女子オープンで優勝。米女子ツアーの予選会ではまさかのアテストミスで失格と、アップアンドダウンが激しい1年間でした。ただ、パーオン率とトータルドライビングがともに3位だったことで、ボールストライキングが1位となりました。これまでの単に飛ばすゴルフから飛んで曲がらず、なおかつ正確なショットを放つゴルフに変わった証拠でもあります。24年は年間女王も十分期待できるでしょう。
第3位は170センチのささきしょうこプロです。開幕5試合を終えて2位が2回、5位が1回と好調な滑り出しを見せましたが、後半伸び悩み、メルセデスランキング21位フィニッシュは自身も納得のいかない結果でしょう。24年こそ、6年ぶりのツアー優勝を達成し、メルセデスランキングでも上位を狙いたいところです。
比較的小柄なプロが多く感じる国内女子ツアーですが、上位50人の平均身長は161.3センチと、決して低い数字ではありませんでした。ちなみに、厚生労働省が発表している国民健康・栄養調査によると、日本女性の平均身長は20代が157.5センチ、30台が158.2センチなので、その数字もしっかり超えています。そう考えると、山下プロの活躍はやはり出色ものだと言えるでしょう。
取材・文/山西英希