国内女子ツアー第17戦、アース・モンダミンカップでは、小祝さくらプロが通算16アンダーをマークし、今季2勝、ツアー通算11勝目を挙げました。なお、今大会は降雨に見舞われた日が多く、予備日である月曜日に最終ラウンドを行いました。予備日を使用するのは、ツアー史上4度目のことでした。
◆多くの大会は競技短縮となる
ストロークプレーで行われるゴルフトーナメントは、あらかじめ54ホール競技か72ホール競技と定められています。国内女子ツアーでは、54ホール競技が主流でしたが、小林浩美会長の意向もあり、近年は72ホール競技が増えてきました。ちなみに、今季女子ツアーは全38試合を開催しますが、54ホール競技が20試合、72ホール競技が18試合となっています。
1日18ホールを消化するのが基本のため、54ホール競技は3日間、72ホール競技4日間での大会となります。ただ、ゴルフは屋外スポーツのため、天候の影響をもろに受けます。多少の雨なら強行しますが、グリーン上に雨水が浮いてきたり、バンカーに雨水がたまってしまうようだと、試合は中断となります。また、ラウンドが長引き、日没になってもラウンドを続行することが難しくなります。
スケジュール通りに18ホールを消化できなかった場合はどうなるのでしょうか。答えは簡単です。翌日に消化できなかったホール数と最初から予定されていた18ホールをプレーするだけです。ただ、状況によってはそれが難しいケースがあります。例えば、翌日も天候が悪かったり、持ち越したホール数が多いため、日没までに回り切れない場合です。
最近は天気予報がかなり正確になったため、どこまで選手がホール数を消化できるのか、おおよその予想はつきます。逆にいえば、3日間で54ホール、4日間で72ホールを終えることができないことも分かるわけです。そうなった場合、大会側が選択するのは競技短縮です。54ホール競技なら半分の27ホールを、72ホール競技なら半分の36ホールを終了していれば、競技は成立します。ほとんどの大会は予備日を設けておらず、日曜日までに大会を成立させたいので、天候が悪いときは競技短縮になることが一般的です。
◆72ホールを行うための予備日だった
それではなぜ、アース・モンダミンカップは月曜日まで大会を順延し、72ホール競技を成立できたのでしょうか。それは、月曜日を予備日に設定していたからです。通常のトーナメントでは月曜日を予備日として設定していません。日本女子オープンのようなナショナルオープンは予備日を設けているため、過去にも月曜日に最終ラウンドを行っています(97、21年)。
アース・モンダミンカップでいえば、20年に最終ラウンドを月曜日に行っています。他の公認競技でも月曜日を予備日に設定している大会はいくつかありますが、目的が少し異なります。万が一、27ホール、あるいは36ホールすら消化できない状況で、試合成立が難しいときに初めてその予備日を使用します。日曜日までに試合が成立していたなら、たとえ54ホール、または72ホールを終えていなくても試合終了となります。
公式競技以外で、月曜日の予備日を設け、意地でも72ホールを行うのはアース・モンダミンカップだけです。そのことを選手は知らされていますし、4年前の実績を考えれば頭の中に入れておくべきです。日本女子オープンの予選会に出場できなくなった選手もいたようですが、そのような予定を組んだ選手に問題があると言えるでしょう。
国内女子ツアー史上、4度目となった予備日使用となった今年のアース・モンダミンカップですが、優勝した小祝さくらプロは、大会前日に次のように語っていました。
「私たちは大会側が決めたルールに従うだけです。個人的には72ホール戦ったほうが実力も出ますし、悔いなく終わることができると思います」。
選手の皆さんは、本当にお疲れ様でした。