今年、フランスのパリで開催されるオリンピック。その代表選手が、日本時間の25日にいよいよ発表されました! 日本からは、男女それぞれ2名ずつの選手の出場が決定。オリンピックランキングによって決まる出場選手ですが、最後の最後までもつれる展開にハラハラした人も多かったのではないでしょうか?
◆ゴルフ競技の代表選手、その選考方法は?
五輪のゴルフ競技の出場枠は、男女ともに60名。開催国枠の1枠を除き、国際ゴルフ連盟(IGF)が作成したオリンピックランキング(男女ツアーそれぞれの世界ランキングに基づくランキング)により出場選手が決まります。オリンピックランキングの上位15名の選手にまず出場権が与えられますが、それには上限があって、各国・地域4名まで。16位以下の選手には、各国・地域2名を上限に枠を満たすまで出場権が与えられることになります。
◆女子の日本代表選手が決まるまでの熾烈な争い
25日に発表された日本の代表選手は、男子が松山英樹プロと中島啓太プロ、女子は笹生優花プロと山下美夢有プロということに決定しました。男子は、前週の18日の時点で既に決定していましたが、女子は最後の最後までもつれる展開になりました。
現地時間の6月2日に最終日を迎えた全米女子オープン。その開催前までは、オリンピックランキングの50位までに7名もの選手(笹生優花プロ、古江彩佳プロ、畑岡奈紗プロ、山下美夢有プロ、竹田麗央プロ、岩井明愛プロ、岩井千怜プロ)が入っている状況でした。ところが、その全米女子オープンで笹生優花プロが優勝したことで、一足先に代表入りを確実なものに。そして、2つ目の代表枠を巡って古江彩佳プロと畑岡奈紗プロ、山下美夢有プロの3名が僅差で争う形となりました。
その後、現地時間の8日にショップライトLPGAクラシックの初日を終えて4位につけていた畑岡プロの失格騒動(茂みに入ったボールを探す時間が規定の3分を超えていたとメディア関係者から指摘され、2日目のスタート前に失格に。その後、畑岡プロが意見書を提出するなど、未だ物議を呼んでいます)が起こり、より一層注目度が上昇。そして、最後の戦いとなる全米女子プロゴルフ選手権。そこで2位に入った山下プロがポイントを大きく加算し、パリ五輪への切符を手に入れました。
◆出場選手のプロフィール
【男子】
・松山英樹プロ (32歳)
東北福祉大出身
国内8勝 (メジャー1勝)
USツアー9勝 (メジャー1勝…マスターズ2021)
欧州ツアー2勝
東京オリンピックではプレーオフに敗れて4位に。
・中島啓太プロ (24歳)
日本体育大学出身
国内4勝
欧州ツアー1勝
【女子】
・笹生優花プロ (23歳)
国内2勝
USツアー2勝 (メジャー2勝…全米女子オープン2021.2024)
東京オリンピックはフィリピン代表として出場し、9位。
・山下美夢有プロ (22歳)
大阪桐蔭高校出身
国内11勝 (メジャー3勝)
2022年、2023年の2年連続、国内ツアーの年間女王戴冠
◆過去の五輪ゴルフ競技の結果
五輪のゴルフ競技は、1900年と1904年に開催されて以来しばらく除外されていました。ところが、2016年のリオデジャネイロオ五輪から再び開催されるように。2020年(新型コロナの影響により実際に開催されたのは2021年)の東京、そして今年のパリと合わせると、今年で5回目の開催ということになります。ちなみに、2016年のリオデジャネイロ五輪では、男子協議では池田勇太プロが21位タイ、片山晋呉プロが54位。女子競技では、野村敏京プロが4位タイ、大山志保プロが42位という結果でした。
2021年に埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催された東京五輪のゴルフ競技は、男女ともに大変盛り上がる結果となったことは、まだ記憶に新しいところですね。男子競技では、松山英樹プロが最終日に3位タイに並んでホールアウトし、7名によるプレーオフに進出。残念ながら銅メダル獲得はなりませんでしたが、とてもワクワクする展開でした。
女子競技では、稲見萌寧プロが2位タイでホールアウトし、ニュージーランドのリディア・コとのプレーオフを制して銀メダルを獲得。日本選手が五輪のゴルフ競技でメダルを手にしたのは男女を通じて初めてのことで、大変盛り上がりました。
US女子ツアーでの日本勢の活躍が目立つようになりました。男子も、世界で活躍する日本人選手が増えてきています。パリ五輪でのメダル獲得にも、思わず期待してしまいますね。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。