国内女子ツアー第32戦、マスターズGCレディースは、イ・ミニョンプロが通算14アンダーで今季初勝利、ツアー通算7勝目を飾りました。現在、32歳のミニョンプロですが、今季、30代の選手が優勝を飾ったのは初めてでした。
◆なんとプレーオフ6戦全敗の人も
マスターズGCレディース最終日、イ・ミニョンプロは最終18番ホールで2.5メートルのパーパットを残していました。このパットを入れれば優勝、外せば畑岡奈紗プロ、岩井明愛プロとのプレーオフに突入します。かなり緊張する場面でもあり、ミニョンプロは何度かアドレスを解き、仕切り直しすることに。「プレーオフに行ったら、流れ的にも絶対に勝てないと思いました」。実は、ミニョンプロ、プレーオフの成績は0勝3敗なんです。できれば、プレーオフには行きたくないというのが本音でしょう。
「2位でもいいと思って打ったら入りました」。優勝決定後は思わずホッとした表情を見せていたミニョンプロ。苦手なプレーオフを避けたことが何よりも嬉しかったのではないでしょうか。ただ、明愛プロもプレーオフは0勝3敗であり、畑岡プロは国内女子ツアーではプレーオフ未経験ですが、21年の全米女子オープンでは笹生優花プロに破れています。したがって、プレーオフにまでもつれても、ミニョンプロが勝つ可能性は十分あったと思われます。
ところで、ミニョンプロのように、プレーオフでは勝ったことがない選手は国内女子ツアーに数多くいます。そこで、プレーオフで勝ったことがなく、3回以上負けている選手をピックアップしてみました。第1位は天沼千恵子プロの0勝6敗です。01年には5勝を挙げて賞金ランキング3位に入った天沼プロですが、幸いにもこの年は一度もプレーオフに進出したことはありませんでした。
第2位は池渕富子プロ、柏戸レイ子プロ、三塚優子プロ、若浦みどりプロの0勝4敗です。そして、0勝3敗がミニョンプロのほか、明愛プロ、小祝さくらプロ、佐伯三貴プロ、ささきしょうこプロ、浜田光子プロ、馬場ゆかりプロがいます。今季のメルセデスランキング上位にいる明愛プロと小祝プロがどちらもプレーオフで未勝利になのはちょっと意外ですね。
◆プレーオフ無敗の最多勝は3勝
それでは逆に、プレーオフで無敗の選手を探してみましょう。調べてみると、プレーオフで4勝以上して無敗の選手はいませんでした。したがって、3勝0敗の選手を探してみると…。
なんと稲見萌寧プロ、渋野日向子プロのたった2人という結果に。やはりプレーオフといえども、勝ち続けることは難しいのでしょう。渋野プロは国内女子ツアー通算6勝ですから、その半分がプレーオフでの勝利となります。ここ一番での勝負強さが発揮されるのでしょう。
ちなみに、プレーオフでの最多勝利は涂阿玉プロの13勝で、第2位は樋口久子プロ、不動裕理プロ、イ・ボミプロの9勝でした。その後に続くのは、アン・ソンジュプロの8勝で、7勝には岡本綾子プロ、安井純子プロ、吉川なよ子プロが名を連ねています。
実は今シーズン、プレーオフは2試合しか行われておらず、昨シーズンの10試合から大幅に減っています。この辺もプレーオフの得意、不得意な人には微妙な影響を与えているのかもしれませんね。
写真/Getty Images