【TOTO ジャパンクラシック】竹田麗央プロが今季8勝目!米LPGAツアー出場権を獲得

滋賀県にある瀬田ゴルフコースで開催された「TOTO ジャパンクラシック」。6ホールにも及ぶプレーオフの末に竹田麗央プロが優勝し、今季8勝目を挙げました。マリナ・アレックス選手とのプレーオフとなった優勝争いは、なかなか決着がつかずに6ホール目へと突入。間もなく日没、ここで優勝が決まらなければ明日へ持ち越しという状況の中、竹田プロがバーディパットをしっかりと沈め、長い激闘を制しました。

2時間にも及んだプレーオフにも関わらず、プレーオフが行われている18番ホールと13番ホールをたくさんのギャラリーの方が行き来していました。この戦いがいかに惹きつけられるものだったかがわかります。優勝インタビューでの竹田プロの「長くなってしまってすみません」の言葉に対して、ギャラリーから笑いがこぼれていたのも、とても印象的でした。

「TOTO ジャパンクラシック」は、全米女子プロゴルフ協会(米LPGA)の公式戦。優勝すれば、米LPGAツアーの出場権を得ることができます。出場権を得るため、12月に開催されるQスクールの最終予選にエントリーしていた竹田プロにとって、この大会の優勝は大変意味のあるものとなりました。

◆米LPGAツアーへの最短ルート「桃子ルート」

LPGAジャパンクラシック、LPGAミズノジャパンゴルフクラシック、マツダジャパンクラシック、東レジャパンクイーンズカップ、ミズノクラシック、TOTO ジャパンクラシックと名称を変えてきたこの大会。全米女子プロゴルフ協会の公式戦でありながら、日本国内での開催ということで日本人選手の出場も多く、優勝した選手もいます。昨年は稲見萌寧プロが見事に優勝し、その活躍が記憶に残る大会となりました。

米LPGAツアーにシーズンを通して出場するためには、Qスクールという予選会を勝ち抜いていかなければなりません。しかも、その最終予選会は5日間90ホールにも渡る長丁場の戦い。この大会に優勝すればそれらが免除されるので、米LPGAツアー挑戦を目指す選手にとってかなり大きな意味がある大会と言うことができます。しかも、この優勝によって得られる出場権は優先順位がQスクール組より上になるため、より多くの大会に出場することができます。

2007年に優勝した上田桃子プロは、それによって得た出場権で翌年から米LPGAツアーに本格参戦しました。昨年の優勝者である稲見萌寧プロも、今季の米LPGAツアーの出場権を獲得し、参戦しています。

◆来季の米LPGAツアー挑戦を目指す選手達

元々、Qスクールの最終予選にエントリーしていた竹田プロ。同じく、最終予選会にエントリーしている日本人選手がいます。世界ランキング上位の資格で最終予選から出場できる岩井明愛プロと岩井千怜プロ、そして山下美夢有プロ。10月にフロリダ州で開催された2次予選会を突破した原英莉花プロと山口すず夏プロ。米LPGAの下部ツアーであるエプソンツアーでポイントランキング35位以内に入った馬場咲希プロも出場する予定です。近年、米LPGAツアーに挑戦するプロが増えていますが、今年は特に多いと言えるでしょう。

ちなみに、2024年シーズンにツアーメンバーとして米LPGAツアーを主戦場にしたのは9名。2016年に日本史上最年少で最終予選会を通過した畑岡奈紗プロ。2021年に通過した古江彩佳プロと渋野日向子プロ。2022年に通過した勝みなみプロと西村優菜プロ。そして、2023年に通過した西郷真央プロと吉田優利プロ。LPGAの非会員である「ノンメンバー」としてツアー競技に出場し、優勝することで出場権を手に入れた笹生優花プロ(2021年全米女子オープン優勝)と、稲見萌寧プロ(2023年TOTOジャパンクラシック優勝)もいます。米LPGAツアーでの日本人選手の存在感が、ますます増していきそうです。

気になる最終予選会は、12月5日から5日間。ぜひとも、全員に通過してほしいところです。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

写真/Getty Images

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