シーズン前からドライビングディスタンス1位の座を狙っていた竹田麗央プロ。シーズン中はこの部門で過去に1位となった3選手をなかなか抜けず、4位から上に食い込むことができなかったものの、終盤で逆転。ついに念願のタイトルを獲得しました。
◆平均飛距離260ヤードを越えないと女王は無理
その名のとおり、ドライバーの飛距離を競うドライビングディスタンス。これは18ホールの中から2ホールをピックアップし、そこでの飛距離を計測。年間での平均飛距離を算出したものです。この2ホールは風向きが反対になることを条件としており、通常のドライビングコンテストとは異なり、ラフに入っても飛距離を計測します。ただし、ラフに入ればボールが転がらないだけに不利であることは間違いありません。
さて、そんなドライビングディスタンスですが、JLPGAツアーで計測され始めたのは、意外にも歴史が浅く、2017年からになります。初代飛ばし屋女王に輝いたのは、葭葉ルミプロでなんと260.76ヤードを記録しています。翌18年も258.29ヤードで女王の座を守った葭葉プロ。惜しくも19年は2位となり、3年連続1位とはなりませんでした。
代わって女王となったのが、穴井詩プロです。記録は260.67ヤードでした。20-21年シーズンは原英莉花プロが257.26ヤードで1位となりましたが、22年は穴井プロが巻き返して2度目のドラディス女王となっています。記録は257.49ヤードでした。
そして23年は神谷そらプロが初戴冠。記録は260.82ヤードと史上最長記録を更新しています。これまで260ヤードの壁を破ったのは3人。この3人を抜いてドライビングディスタンス1位になるには、260ヤードを越えなければならず、かなり高いハードルだと言えるでしょう。
◆史上まれに見る激戦
そんな高いハードルに対して、敢然と立ち向かったのが竹田麗央プロです。元々アマチュア時代から飛距離には自信を持っていただけに、本格的にツアーデビューした23年はいきなり258.91ヤードを記録。ところが、同学年の神谷プロに破れて2位に終わっています。24年はリベンジのつもりで臨みましたが、葭葉プロ、穴井プロ、神谷プロの3人が全員260ヤードを楽に超えるハイレベルな戦いに。竹田プロも260ヤードを超えていたものの、三菱電機レディス終了時点ではまだ4位に甘んじていました。
それでも、「ドライビングディスタンスだけは1位を取りたいです」と言い続けていた執念が実ったのか、次戦となるTOTOジャパンクラシックでは上位にいた3人を一気にごぼう抜き。ついに1位の座にたどり着きました。こうなると、竹田プロの勢いを止めることはできません。シーズン終了までの3試合でガッチリ首位をキープ。263.19ヤードという史上最長記録を大きく更新し、名実ともに飛ばし屋ナンバーワンの称号を手に入れました。
ただ、注目したいのは、2位の葭葉プロが262.98ヤード、3位の神谷プロが262.71ヤード、4位の穴井プロが261.91ヤードと、3人とも昨年までの最長記録を更新していることです。正直、どの選手が1位になってもおかしくないぐらいでしたし、まさに、史上まれに見る激戦だったことは間違いないでしょう。
ただ、注目したいのは、2位の葭葉プロが262.98ヤード、3位の神谷プロが262.71ヤード、4位の穴井プロが261.91ヤードと、3人とも昨年までの最長記録を更新していることです。正直、どの選手が1位になってもおかしくないぐらいでしたし、まさに、史上まれに見る激戦だったことは間違いないでしょう。
写真/Getty Images