ツアー最終戦のJLPGAツアー選手権リコーカップでは、桑木志帆プロと竹田麗央プロとのイーグル女王争いが注目されていました。ところが、その裏でさらに熾烈なバーディ女王争いが桑木プロと小祝さくらプロの間で繰り広げられていたのです。
◆最後のハーフで小祝プロが抜け出す
ツアー最終戦のJLPGAツアー選手権リコーカップ3日目を終了して、桑木志帆プロが今シーズン奪ったバーディ数は426個でした。対する小祝さくらプロは、425個。その差はわずか1個。どちらがバーディ女王となるかは、最終日の18ホールに委ねられたのです。
序盤の2、3番ホールで小祝プロが連続バーディを奪い、桑木プロを逆転。さらに、6、7番ホールでも連続バーディとし、差を広げようとします。ところが、桑木プロも負けてはいません。なんと6、7、8番ホールで3連続バーディを奪い、小祝プロに追いついたのです。
実はこの時点で大会の優勝争いも演じていた2人。それもあってか、なかなか大胆に攻め切れず、後半はなかなかバーディを決めることができません。そんな状態でついに小祝プロが14番ホールでバーディを奪い、通算430個とします。対する桑木プロは後半のハーフでバーディを1個も奪えず、通算429個で今季の全日程を終了しました。
終わってみれば、わずか1個の違いで小祝プロが20‐21年シーズン以来、実に3年ぶり2度目のバーディ女王となりました。桑木プロは竹田麗央プロを1個差で抑えてイーグル女王となりましたが、2冠獲得はなりませんでしたが、大会は1打差で小祝プロを振り切り、自身初の国内メジャーを制しました。
ちなみに、年間バーディ獲得数の3位以下は次のとおりです。3位佐久間朱莉プロ(411個)、4位岩井明愛プロ(409個)、5位岩井千怜プロ(408個)、6位竹田プロ(407個)。
◆連続バーディ記録も持つ小祝プロ
実は小祝プロ、バーディ数に関しては、本格的にツアーデビューした18年以来、トップ3を外したことはありませんでした。18年が360個獲得で3位、19年が398個獲得で3位、20‐21年が577個獲得で1位、22年が411個獲得で2位タイ、23年が442個獲得で3位でした。
18年から21年までの賞金ランキングは8位、8位、3位ときて、22年からのメルセデスランキングは7位、4位、4位と、トップテンを一度も外したことがありません。それだけの安定感があるのは、バーディを取れるところで取っているからでしょう、
そんな小祝プロですが、面白い記録を持っています。それは最多連続バーディ記録です。23年の楽天スーパーレディス2日目に記録したもので、4番ホールから11番ホールまで8ホール連続でバーディを奪っており、これが日本記録となっています。ただ、11年のスタンレーレディス最終日に諸見里しのぶプロが、19年の富士通レディース2日目に成田美寿々プロが同じく8ホール連続バーディを達成しているので、小祝プロはタイ記録となります。
また、小祝プロが1ラウンドで獲得したバーディ数は10個(24年宮里藍サントリーレディス)が最高で、歴代では10位タイです。1位は稲見萌寧プロの13個(21年中京テレビ・ブリヂストンレディス)でした。
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