スコアを大きく縮めたいなら、アプローチとパットに磨きをかけるべき。ダブルボギーをボギーに、ボギーをパーにできれば、100の壁はもちろん、90の壁だって突破できる可能性が出てきます。
そこで、ショートゲームの上手さには定評がある村田理沙プロに、状況に応じた打ち方を教えてもらいましょう。
第5回は左足下がり&左足上がりのライからのアプローチがテーマです。
◆左足下がりからはボールを上げなくていいんです!
グリーンをオーバーすると、奥の土手にボールが止まり、左足下がりのライからアプローチすることってありますよね? 正直、女性アベレージゴルファーにとっては、最も難しい状況だと言えます。この場合、よくあるのが、ボールをウェッジの歯で打って、グリーンをオーバーするようなトップを打つこと。もしくは、ボールの手前をザックリと打ち、ボールがほとんど飛ばないようなミスです。
どちらも原因はボールを上げようとする動きです。はっきりと言います。左足下がりのアプローチでは、無理にボールを上げる必要はありません。確かにフワッと上げてグリーンに落とせば、ボールがピンそばに止まるかもしれませんが、かなりの高等技術です。わざわざ成功率の低い打ち方を選択してもいいでしょう。
私なら、サンドウェッジ、もしくはアプローチウェッジを選択して傾斜なりに立ちます。スタンスの真ん中よりも1個分右にボールをセットし、左足に体重を多く乗せます。両手は左足太モモ内側の前です。左足を少し下げたオープンスタンスに構えますが、クラブフェースは開きません。目標に対してスクエアに向けておきましょう。あとは、体重移動を行なわずに、傾斜に沿ってクラブを上げて下ろすだけです。
ポイントは何度も言いますが、ボールを上げようとしないこと。グリーンの手前にポンと落とすぐらいのイメージで打ちます。ロフトを少し立てて打っているので、地面に落ちた後は、ボールがコロコロとグリーンまで転がってくれます。
ボールをスタンスの真ん中よりも1個分左に置いて構えます。左足を少し下げたオープンスタンスにすると、振り抜きやすくなります。体重は左足に多めに乗せて傾斜なりに立ちましょう。フェースは開かずに目標に向けます
頭を動かさずに、体の回転でクラブを上げます。体重移動も行わず、左足に体重を多く乗せたままにしましょう
傾斜に沿ってクラブヘッドを振り抜くように打ちます。ボールを上げようとせず、グリーンの手前にポンと落とすぐらいの気持ちで打ちましょう
左足下がりではサンドウェッジかアプローチウェッジを使用します
◆左足上がりからはライは左右対称のスイングを心がけましょう
打ち上げホールや砲台グリーンに向かって打つ際、ボールがグリーンまで届かないと、左足上がりのアプローチが残ります。この場合、やはり傾斜に合わせて立つことをお勧めします。右足に体重を多く乗せたら、スタンスの真ん中よりも1個分左に置きます。あとは、左足下がりのときと同じように、傾斜に沿ってクラブを上げて下ろすだけです。
正直、左足下がりよりもボールを打ちやすいので、ミスは少ないと思います。ただし、通常よりもロフトが大きくなった状態でインパクトを迎えるため、ランがあまり出ません。平地から打つときよりもピンの近くを狙いましょう。
スイング中は体重移動を行なわず、インパクトを迎えるまで顔を上げないようにすると、ミート率がアップします。
ボールはスタンスの真ん中よりも1個分左にセット。右足体重で構えたら、体重移動を行なわずに、傾斜に沿ってヘッドを動かすイメージで振り抜きましょう
◆教えてくれたのは…
村田理沙 むらた・りさ/1995年6月22日生まれ、東京都出身。ゼビオホールディングス所属。
取材・文/山西英希 撮影/山代厚男 取材協力/イーグルポイントゴルフクラブ