【村田理沙プロが先生】バンカーは砂を薄く長く取るイメージ

スコアを大きく縮めたいなら、アプローチとパットに磨きをかけるべき。ダブルボギーをボギーに、ボギーをパーにできれば、100の壁はもちろん、90の壁だって突破できる可能性が出てきます。

そこで、ショートゲームの上手さには定評がある村田理沙プロに、状況に応じた打ち方を教えてもらいましょう。

第6回はバンカーショットがテーマです。

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◆クラブフェースを開けますか?

バンカーショットを苦手とする女性アベレージゴルファーは少なくありません。一般的には砂を爆発させるだけの力がないからだと言われますが、私はその意見に反対です。なぜなら、もっと他に原因があるからです。女性アベレージゴルファーがバンカーショットを苦手なのは、クラブフェースを開いていないからです。むしろフェースを閉じ気味にして、リーディングエッジからクラブヘッドを下ろそうとしています。そのほうがボールの手前にある砂を爆発できると思うからでしょう。しかし、それは間違った動きなんです。

正直、リーディングエッジからヘッドを下ろしても、ヘッドが砂の中に刺さるだけで、砂を爆発させることにはなりません。たとえ砂と一緒にボールが上がったとしても、アゴを越えるだけの高さは出ないでしょう。

砂を爆発させるのはソールのふくらんだ部分です。これをバンスと言いますが、このバンスを砂面にぶつけることによって初めて砂を爆発できるのです。バンスを使いやすくするためにも、フェースは開くべきです。フェース面を右に向けるとロフトが大きくなり、バンスが地面に接します。あとは、オープンスタンスに構えるだけです。ボールが左足カカト線上にくるようにセットし、両手は左太モモ内側の前です。

ボールは左足カカト線上、両手は左太モモ内側の前にセットします。クラブフェースが目標の右を向いてもいいでの、フェースを開きましょう。スタンスはオープンスタンスに構えます

クラブフェースを開かずに構えると、バンスを使えないのでクラブヘッドが砂の中に刺さってしまいます

◆バンスが3センチ手前の砂を取るイメージ

バンカーショットでは、ボールを直接打つわけではありません。ボールの下にある砂と一緒に打つのが正解です。ただし、砂をたくさん取ればいいというわけでもありません。砂を取る量が多ければ多いほど距離が出ないからです。しかも、フェース面とボールの間に挟まる砂も増えるので、スピンはかかりません。できるだけ砂を薄く取るようにしましょう。

その際に有効になるのが、先程説明したバンスです。このバンスをボールの後ろ3センチぐらいのところに落とすことによって、ヘッドが砂の中にあまり潜らず、砂を多く取ることがありません。ヘッドを鋭角に下ろすのではなく、できるだけ低い位置から下りてそのまま横に動いていくのが理想です。砂を薄く長く取るイメージを持つといいでしょう。

ヘッドを上から打ち込むと距離感が合わないだけでなく、トップやダフリといったミスが出ます。しかし、ヘッドを緩やかな角度で下ろすことにより、多少ヘッドの着地地点がずれても大きなミスにはなりません。しかも、砂を薄く取る分、しっかりとスピンがかかります。

打ち方としては、スタンスの向きに沿ってクラブを上げたら、そのままスタンスの向きに沿って振り抜きます。アウトサイドインのスイング軌道になりますが、フェースを開いているので、ボールは高く上がります。自分の身長よりも高いアゴでも越えていくので、思い切って振り抜きましょう。

上体の回転でクラブを上げていきます。極端な体重移動は行わず、なるべく右ヒザの向きと角度をキープしておきましょう

クラブを鋭角に下ろさず、なるべく緩やかな軌道で下ろします。砂を取る量はそれほどおおくありません。フェースを返そうとせず、フェース面を上に向けたまま振り抜きましょう

フィニッシュまでしっかりと振り抜きましょう

◆教えてくれたのは…

村田理沙 むらた・りさ/1995年6月22日生まれ、東京都出身。ゼビオホールディングス所属。

取材・文/山西英希 撮影/山代厚男  取材協力/イーグルポイントゴルフクラブ