せっかくティショットをフェアウェイのいいところに落としても、第2打をミスしては好スコアをマークすることはできません。そこで、グリーンを狙うショットをクラブ別、状況別に分けて宮田成華プロにレッスンしてもらいます。
第10回はインテンショナルスライスの打ち方について説明します。直接グリーンを狙えないときなど、障害物を避けたいときやピンが右サイドに立っているときに役立ちます!
【宮田成華プロ】 「女性ゴルファーだってパーオンは狙えるんです!」レッスンのバックナンバーはこちら
◆フェースは目標、スタンスはオープンです!
ボールを意識的に右に曲げて打つことをインテンショナルスライスと呼びます。前回説明したインテンショナルフックのとは全く反対の球筋です。したがって、打ち方もフックを打つときとは逆の動きになります。
インテンショナルスライスを打つ状況ですが、ボールとグリーンの間に木などの障害物があり、ボールをその障害物の左サイドへ打ち出せるときです。また、ピンがグリーンの右端に立っているときは、グリーンの真ん中を狙うとピンに寄っていきます。
打ち方ですが、クラブフェースを目標に対してスクエアに合わせ、スタンスはオープンに構えましょう。フェースを開いた後にオープンスタンスにすると、フェースは自然と目標を向きます。ただし、極端にフェースを開くと飛距離が落ちてしまうので気をつけてください。飛距離を落としたくないときは、最初からフェースは目標に向けておき、その向きを変えないままオープンスタンスに構えます。
テークバックではスタンスの向きに沿ってクラブを上げたら、ダウンスイングでもスタンスの向きに沿ってクラブを振り抜きます。したがって、スイング軌道はアウトサイドインになります。また、インテンショナルフックと同じように、出球はスタンスの向きに飛んでいくので、ボールを打ち出したい方向に対してスタンスのラインが向くように構えましょう。
クラブフェースは目標、スタンスはオープンが基本です
スタンスの向きに沿ってクラブを上げます
スタンスの向きに沿って振り抜きましょう
◆とにかくカット軌道に振りましょう
アベレージゴルファーの場合、カット軌道に振っていることが多いので、インテンショナルスライスを打つことはそれほど難しくないと思います。極端な話、フェースを閉じて構えていても、アウトサイドインの軌道でクラブを振ればスライスが出ます。細かいことは考えずにとにかくカット軌道で振り抜きましょう。
カット軌道に振るコツとしては、これもインテンショナルフックのときとは反対になります。フックを打つときは、飛球線後方からアドレスを見たときに右ヒジよりも左ヒジが前に出た形にしましょうと言いましたが、スライスを打つときは左ヒジよりも右ヒジが前に出た形になるように構えます。こうすることでクラブがアウトサイドに上がりやすく、カット軌道で振り抜けます。一度鏡などを見て自分のアドレスをチェックしてみましょう。
また、フック同様、ボールを意識的に曲げられるのは、スイングの基本ができている人に限ります。スイング中は頭が上下左右に動かないように心がけ、アドレスでの前傾姿勢もキープしましょう。ダウンスイングで上体が目標方向に突っ込むのもNGです。
インテンショナルスライスを打つときは、左腕よりも右腕が少し前にきます
クラブをアウトサイドに上げやすくなります
ダウンスイングでもアウトサイドからクラブを下ろしましょう
インテンショナルスライスを打つときもクラブを短く持ちましょう
◆教えてくれたのは…
宮田成華 みやた・なるは/1997年11月7日生まれ、東京都出身。スリーボンド所属。
取材・文/山西英希 撮影/村上悦子 取材協力/東名厚木カントリー倶楽部(PGM)