スコアを大きく縮めたいなら、アプローチとパットに磨きをかけるべき。ダブルボギーをボギーに、ボギーをパーにできれば、100の壁はもちろん、90の壁だって突破できる可能性が出てきます。
そこで、ショートゲームの上手さには定評がある村田理沙プロに、状況に応じた打ち方を教えてもらいましょう。
第10回は下りラインのパッティングがテーマです。
◆入れるよりも寄せることが第一
グリーンを狙う際、ツアープロの多くは上りの真っすぐなラインを残すことを考えます。なぜなら、カップインする確率が高いからです。裏返していえば、下りのラインを1パットで決めるのはそれだけ難易度が高いといえるでしょう。
アベレージゴルファーは上りでも下りでもカップインさせることを第一に考えがちです。当然、カップまで届く距離で打ちますが、上りのラインなら多少強めに打っても、極端にカップをオーバーすることはありません。ところが、下りのラインだと、傾斜の度合にもよりますが、最初に打った距離よりもオーバーすることさえあります。
私は3メートルの下りラインなら、カップインよりも確実にカップに寄せることを第一に考えます。距離を合わせた結果、カップインできれば最高という感じですね。たとえ入らなくても、次のパットをタップインできるぐらいに寄ればオーケーです。
下りラインを迎えたら、まずはどれぐらい下っているのかをしっかりと確認し、カップを大きくオーバーしない距離感で打つことを第一に考えましょう。
3メートルぐらいの下りのラインでは、無理にカップインを狙うよりも確実に次のパットを沈められるところまで寄せることを優先しましょう
◆カップの奥から入れるイメージで打ちましょう
下りの曲がるラインを打つ場合、皆さんは曲がり幅をどれぐらい計算していますか? 私はラインを大きく読むことをお勧めします。なぜなら、ボールがカップに近づいていくからです。
例えば、下りのスライスラインを打つとします。この場合、カップ2個分左に読んで打つのと、4個分左に打つのとでは、曲がる度合が変わります。2個分左を狙った 場合、曲がりを浅く読むわけですから、カップの入り口は多少狭くなります。仮にボールがカップに届かなかった場合、カップの右手前を通過して大きく離れていきます。また、強めに打った場合は、カップの左を通過した後、傾斜どおりに右サイドへ転がっていきます。まさにジャストタッチでカップの手前から入れるしかないでしょう。
反対に、4個分左を狙った場合、カップの入り口は先ほどよりも広く使えます。しかも、2個分左に打つときよりもタッチは弱めになり、右への傾斜を利用するのでボールはどんどんカップに近づいていきます。多少弱ければカップの左手前から、多少強くてもカップの左奥から入るイメージです。
もちろん、距離感が合わなければ、たとえ曲がりを大きく読んでもカップインする確率は低くなります。あくまでも距離を合わせて打つ場合、曲がりを浅く読むのか、大きく読むのかどちらが有利かという話です。
曲がり幅を大きく読んだほうが、カップの近くでボールが止まる確率が高くなります
浅めに読むとカップの入り口は狭くなりますが、大きめに読むとカップの入り口は広くなります
◆教えてくれたのは…
村田理沙 むらた・りさ/1995年6月22日生まれ、東京都出身。ゼビオホールディングス所属。
取材・文/山西英希 撮影/山代厚男 取材協力/イーグルポイントゴルフクラブ