身長151センチと小柄ながら、パワフルなドライバーショットとキレのあるアイアンショットを武器に、国内ツアーで活躍する田中瑞希プロ。今シーズン、シード権獲得はもちろん、ツアー初優勝を狙います。その田中プロが女性アベレージゴルファーのために、スコアアップの秘訣をレッスン! 第7回は60ヤードからのドローボールについて説明します。
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◆ピンが左サイドにあるときはドローボールで攻める
前回、ピンが右サイドにあるときはグリーンの中央を狙って、フェードボールを打ちましょうと説明しました。それと同じようにピンが左サイドにあるときは、グリーンの中央を狙ってドローボールを打ちます。たとえ真っすぐ飛んでもグリーンの真ん中には乗りますし、計算どおりに左に曲がればピンそばにボールが止まります。
ドローボールで攻めるのはそれだけが理由ではありません。60ヤードの距離を58度のウェッジで打つと、ボールが高く上がる分、風の影響を受けやすくなります。フォローならまだしもアゲンストだと押し戻されがちです。その結果、自分ではナイスショットをしたつもりでもグリーンに届かなかったりします。それを計算して大きめのクラブで打つ方法もありますが、それだと振り幅を少し小さ目に打たなければいけません。成功すればいいですが、少しでも当たりが悪いとアゲンストに押し戻されてしまいます。
ところが、ドローボールを打つと、アゲンストでも押し戻されることがありません。しっかりとつかまえるイメージでクラブを振り抜くと、そのままグリーンまで届いてくれるので、番手を上げずにフルショットできます。その分、ミスの確率が低くなるというわけです。
58度でドローボールを打てるようになれば、アゲンストに押し戻されることもなくなる
◆ドローボールは最後まで振り切らないのが成功のコツ
ドローボールの打ち方ですが、基本的には目標に対してクラブフェースをスクエアに合わせます。スタンス、体のラインはボールと目標を結んだ線に対して平行に構えましょう。その後で、右足だけをボール1個分ほど後ろに下げます。大きく曲げたいときはもっと下げますが、曲がりを計算するのが難しいので最初はボール1個分程度にしてみます。
通常のショットよりもボールを1個分ほど内側に入れたら、体の回転でクラブを上げます。そのままトップまでクラブを上げたら、スタンスの向きに沿ってクラブを下ろします。この場合、クローズスタンスに構えているので、インサイドアウトの軌道になります。
フィニッシュまで振り切ると、インパクトポイントがずれてしまうので、頭よりも少し低い位置に抑えましょう。インパクトで終わりのイメージでも構いません。
目標に対してフェースをスクエアに合わせたら、右足を後ろに引いてクローズスタンスに構えます。ボールは1個分中に入れましょう
体の回転でトップまでクラブを上げます
スタンスの向きに沿ってクラブを振り抜きます
頭よりも低い位置にフィニッシュを抑えましょう
◆教えてくれたのは…
田中瑞希プロ たなか・みずき/1998年生まれ、熊本県出身。2019年に3度目の挑戦でプロテストに合格。小柄ながらドライバーの平均飛距離は約243ヤード。今季の開幕戦、アース・モンダミンカップでは3位タイで注目を浴びる。ツアー初優勝を期待される黄金世代のひとり。
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取材・文/山西英希 撮影/鈴木祥