“パッティングに型なし”といわれますが、それはオーソドックスな型を会得してからの話であり、まずは基本をしっかりと身につけるべきです。実は、大山志保もアドレスの形を基本に戻してからパットの調子がよくなったといいます。そこで、アベレージゴルファーがパットで悩むポイントを大山さんにぶつけてみました!
Q 「ショートパットで引っかけが……」
A 「左足体重で打っていませんか?」
カップが視界に入る2メートル以内のショートパットでは、入れたいという気持ちが強いあまり、左足に体重が多く乗りがちです。確かに最初のうちは左足体重でも目標に向かってヘッドを真っすぐ出せますが、徐々に上体が目標に向かって突っ込んだ形になるようです。その結果、アウトサイドからインサイドにヘッドを出す軌道となり、カップの左へ打ち出します。それを避けようとしてヘッドを目標の右に出すと、今度はヒール寄りにボールが当たり、フック回転がかかるので引っかけが出ます。ショートパットで悩んでいる方は、体重配分をチェックしましょう。
左足に7割ぐらいの体重を乗せて構えると、結果的にヘッドを目標の右に出し、ボールに左回転がかかりやすいです
Q 「ボールの転がりが悪いのはなぜ?」
A 「ボール1個半、近くに立ってみてください」
ボールをセットする位置は、両目を結んだラインの真下かそれよりもやや外側に置くのがいいとされていますが、ボールの転がりがよくない人は、そのラインよりもかなり外側にボールを置きがちです。ボールが体から遠くにあると、インサイドに上げる度合いもインサイドに振り抜く度合いも大きくなります。つまり、それだけフェース面がスクエアに戻る時間が短いわけです。当然、フェースの芯を外す機会も増えるので、転がりが悪くなるというわけです。
ボールを1個半分、体に近づけて立つだけで、ヘッドの軌道は真っすぐに近くなり、そのぶんフェースの芯を外しにくくなります
Q 「スムーズにストロークできません」
A 「手元の位置が高いのが原因です」
アドレスしたときに両手の位置が高い人は腕に力が入っていることが多いようです。その結果、スムーズにヘッドを引いて振り抜くことができず、フェースの芯を外してしまいます。また、両手が高い位置にあるとパターと腕の一体感がなくなり、ヘッドを操作しにくく、軌道も安定しません。距離感も合わないし、ミート率も低くなります。両手の位置を低くして、腕とパターが一直線になるように構えると、肩の動きでヘッドを動かせるので、スムーズにストロークできます。手首を使うこともないのでミート率は上がります。
腕とパターが一直線になるように構えると、肩の動きでストロークできるので、スムーズにヘッドを動かせます
◆教えてくれたのは…
大山志保 おおやま・しほ/1977年5月25日生まれ、宮崎県出身。ツアー18勝。今季でプロ21年目を迎えるベテランだが、43歳となった今年もニトリレディスで6位タイに入るなど元気な姿を見せる。今年の2月には結婚を発表した。大和ハウス工業所属
ALBAドライバー・アイアン・アプローチぜんぶ女子プロに教わろう! 2021年版掲載 編集/島村涼 撮影/相田克己 岩本芳弘 上山敬太 佐々木啓 鈴木祥 近澤幸司 福田文平 村上航 米山聡明 Getty Images