女性ゴルファーからも注目を浴びる稲見プロのスイングを、超人気インストラクターの伊藤祐子プロが、4回にわたって解説! 第3回はアプローチ編をお届けします。
◆パーセーブ率1位を誇る稲見プロの、超再現アプローチショット
ドライバー、アイアン同様、アプローチショットのスイングも、その再現性の高さに驚きます。さすがパーセーブ率1位(2021年7月25日現在)。稲見プロのアプローチ技術の向上は、今年に入ってからの躍進の大きな要因になっています。
ハンドファーストで基本に忠実、とくにブレない下半身はアマチュア、マネすべきポイント。
このスイングをお手本に練習すれば、確実にスコアアップできるでしょう。
肩はリラックスしていて、ヒザも曲げすぎていない、すっとした美しいアドレス。手元はカラダに近く、体重は左が7、右が3くらいで構えています。左足体重はアプローチの基本なので、覚えておきましょう。
スタンスが狭いのは、下半身の余計な動きを防ぐため。特に体幹の弱いアマチュア女性は、スタンスを広くすると下半身がブレやすく、スイングが安定しないので、狭いスタンスがおすすめです。
手とクラブの形が小文字のyを描いています。これは、毎回正確にボールをとらえるための形。大文字のYになると、手元が右にブレやすく、すくい打ちやダフるミスになりやすいので注意しましょう。
手首をコックせず、アドレス時の三角形を崩さず、肩の回転だけでクラブを上げていきます。左重心もキープしたまま。下半身の形はアドレス時と変わっていません。
左袖のロゴがあごの下にくるほど、上半身を回転させていますが、重心もヒザの向きはほぼ変わっていません。
ここまで回転させると、体幹がしっかりしていない女性は下半身もつられて回ってしまい、軸がゆらゆらしてしまいがち。
アプローチの精度を上げるためにも、頑張ってトレーニングして、このトップを目指しましょう。
テークバックのコマと差し替えても分からないほどの再現性の高さ。上げた起動をなぞるようにクラブが下りてきています。アプローチするときは、ぜひこの形をイメージしてください。
アドレス時の形のままインパクトを迎えています。ハンドファーストでインパクトすると、入射角が常に一定になるので、高さとボールスピードが安定します。
手首を見ると、フェースローテーションをしていません。これは、フェースの開閉をせず、構えた時と同じ形でフェースにボールを乗せるように目標方向に運んでいるから。
インパクトが終わっても、肩の回転は止まっていません。アマチュアの多くは、下半身も一緒に動いてしまいますが、体幹の強さに加え、柔軟性もハイレベルな稲見プロならではのフォローです。
両腕がとてもリラックスしています。
インパクトの後、左ヒジを少しだけ後ろに引くように曲げています(これをよく抜く動き、といいます)。こうすることで、フェースが返らず、グリーン上で止まりやすいボールになります。
とはいえ難しい技術とも言えるので、しっかり練習を重ねて再現性の高いアプローチを目指しましょう!
代官山の「K’s Island Golf Academy」インストラクター。豊富なスポーツの経験を生かした一人ひとりに寄り添うレッスンは、予約解禁日に即日満了するほど人気。とくに女性からの信頼が厚い。フォロワー4.3万人以上の Instagram【@yuko_ito630golf】でレッスン動画などを配信中。会員制サロン「YUKO Premium salon」や、YouTube動画も展開。
「ツアープロにティーチングプロがついているように、アマチュアにも同じ方向を見て寄り添い、目標に導いてくれる人が必要です。その存在が私であれば、幸せです」
取材・文/たかはしよし子 撮影/Getty Images、ALBA.Net