現在ツアープロとして活躍中の林菜乃子プロ。今季はトップテン入りが5回と初シード獲得に向け、成長著しい姿を披露しています。身長154センチと小柄な林プロですが、パーセーブ率は87・1%と高い数字を残しています。堅実なゴルフスタイルはまさにアベレージゴルファーのお手本といってもいいでしょう。そこで、今回からスコアメイクに必要な12個のエッセンスを林プロに紹介してもらいます。
第1回はドライバーショットの精度を高める方法です。
お悩みポイント→ボールを真っすぐ飛ばしたいのに曲がってしまう
お助けポイント→曲げたくない気持ちを捨てちゃいましょう!
練習場では比較的真っすぐ飛ぶのに、コースへ出ると曲がってしまう人っていますよね。一番の原因は練習場で行っているスイングをできていないことにあります。
ティグラウンドに立つと様々な情報が視界から入ってきます。フェアウェイが狭いな、右サイドはOBゾーンだな、チョロだと池に入ってしまうなとか、多くはマイナスイメージです。その結果、ボールを曲げたくない気持ちがどんどん強くなるわけです。
するとどうなると思いますか? 腕に力が入り、いつもと同じようにスムーズなバックスイングを行えず、手打ちになってしまいます。当然、ミート率は下がり、ボールが大きく曲がるだけでなく、飛距離のロスにもつながります。
ティグラウンドに立ったら、景色に惑わされず、自分のスイングをすることだけに集中しましょう。そのために有効なのが素振りです。実践している人もいると思いますが、なんとなくクラブを振っていることが多いんですよね。それでは意味がありません。本番では体の回転を利用したいので、テークバックでは肩と腕でできる三角形を崩さずに胸を回します。アドレスからクラブヘッドがヒザの高さに上がるぐらいまでは、三角形と胸が一緒に回るイメージです。
そこから体をさらに捻転してトップの形をつくったら、フィニッシュまで一気に振り抜きます。ここで大切なのがフィニッシュで3秒間止まっていられることです。バランスのとれたスイングでなければフィニッシュで止まることはできません。しっかりと左足に体重が乗り、止まった姿勢をキープできるようなスイングを心がけましょう。
素振りでは腕と肩でできる三角形を崩さずに、体の中心と三角形が同調するようにテークバックを行いましょう
素振りのときからフィニッシュで3秒間止まれるように心がけましょう
お悩みポイント→ショットでは素振りと同じスイングができません
お助けポイント→ボールを凝視せず、マン振りしないことです!
素振りでは練習場と同じようにクラブを振れるものの、いざボールを打つときになると力が入ってしまうことってありませんか? その理由の一つにボールを凝視することがあるんです。
アドレスのときにボールをジッと見続けると、なぜかボールを曲げたくない気持ちが強くなります。おそらくいろんなことを考えてしまうのでしょう。そのうち腕に力が入って手打ちの準備ができてしまうわけです。
私はアドレスしたら、ボールを凝視せずに、ボールの周り数10センチ付近全体をぼんやりと見るようにしています。そうすることでリラックスした状態をキープしたままテークバックに移ることができるからです。
また、私にはマン振りする意識は一切ありません。確かにタイミングが合えば、マン振りしたときのほうが飛距離を稼げるでしょう。でも、仮にパー3を除いた14ホールでドライバーを持つとして、どれだけのホールでタイミングが合うのでしょうか。それならば、8割の力でスイングをして、14回の平均飛距離を上げたほうがスコアアップにつながると思いませんか?
8割スイングなら実際にボールを打つときでもフィニッシュで3秒間止まれるようになります。それが素振りと同じスイングを行えるコツでもあります。
どうしても曲げたくないときや、曲がりそうに感じるときは極端にクラブを短く握りましょう。シャフトとグリップの境目近くを握るぐらいで構いません。フィニッシュまでしっかりと振り抜きつつ、マン振りを防ぐことができるのでボールの曲がりを抑えられます。
ボールの周り数10センチ付近をぼんやりと見るようにしましょう
マン振りよりも8割スイングを心がけたほうが、バランスのよいスイングができるのでスコアアップにつながります
どうしても曲げたくないときは極端にクラブを短く握りましょう
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/太平洋クラブ御殿場コース、チームセリザワゴルフアカデミー
◆教えてくれたのは…
林菜乃子プロ はやし なのこ/1997年生まれ。神奈川県出身。ユピテル所属。現在ツアープロとして活躍中。今季はトップテン入りが5回と初シード獲得に向け、成長著しい姿を披露。身長154センチと小柄だが、パーセーブ率は87・1%と高い数字を残す。