見事シード復活を果たし、賞金ランキング14位で20-21シーズンをフィニッシュした渡邉彩香プロ。22シーズンは更なる飛躍が期待されるところです。彼女の武器は豪快なドライバーショットですが、最近はショートゲームの精度が上がっているとのこと。そこで、アベレージゴルファーにも参考になるポイントを紹介してもらいましょう。
第2回はクラブの動かし方について説明します。
【素朴な疑問】アプローチで思ったほど距離が出ない
【私はこうしてます】ボールをつかまえながら打ちましょう!
振り抜きをよくするために、スクエアスタンスからオープンスタンスに変えた私ですが、一つだけ気になるところがありました。それは、スイング軌道がアウトサイドインになりやすいことです。いわゆるカット軌道ですが、アプローチでは必ずしも有効だとは限りません。
私の場合、ショットでの持ち球がフェードボールという右に曲がる球筋なんですが、元々カット気味に打っているため、アプローチでスタンスの向きに沿ってクラブを上げて下ろすとカットに打つ度合がより強くなってしまいます。
カット打ちはボールにスピンがかかるのでブレーキをかけたいときには有効ですが、飛距離が少し落ちるので距離感を合わせるのが難しくなります。場合によっては、クラブヘッドがボールの下を潜ってしまい、全然飛ばなかったなんてこともありました。
そこで私が考えたのが、ボールをつかまえるように打つことです。あくまでも振り抜きはよくしたいので、オープンスタンスは変えずに、スイング軌道を変えます。
簡単にいえばインサイドインの軌道です。クラブをインサイドに上げたら、そのままインサイドからクラブを下ろし、インパクトゾーンではボールを包み込むイメージでクラブフェースを返します。インパクト後はそのままインサイドに振り抜きます。クラブヘッドが円を描くようなイメージです。
これだとフェース面にボールが乗っている時間が長くなるため、振り幅に応じた距離が出ますし、方向性も安定します。おそらく、アプローチで自分では振っているつもりでもボールが飛ばないという人は、軌道に問題があると思います。まずは。カット軌道を修正してみましょう。
フェースでボールを包み込むようにクラブを振り抜きましょう
【素朴な疑問】インサイドインの軌道で打つのって難しくない?
【私はこうしてます】ハンドファーストの度合を大きくして、左脇を締めたまま振り抜きましょう!
インサイドインのスイング軌道に違和感を覚える人もいるでしょう。パッティングでいえば、ワイパー式にストロークする際の軌道と同じです。やはり、この軌道がボールを一番捉まえることができます。
打ち方としては、ボールをオープンスタンスの真ん中にセットします。これは自分から見ての真ん中です。正面から見ると、真ん中よりも1個分右でいいでしょう。両手を左足の前に持ってくるので、通常よりもハンドファーストの度合が強くなります。
このままだとロフトが立ち、ボールが低く打ち出されて、距離感もつかめません。それを防ぐために、フェースを開きます。あとは極端ではないものの、インサイドにクラブを引きます。このとき左脇は締めたままです。トップまでクラブを上げたら、インサイドからクラブを下ろしましょう。開いて下りてきたフェースがインパクトでスクエアになり、インパクト後は緩やかに閉じていくイメージです。その際、左脇を締めたまま、体の回転でクラブをスタンスの向きに沿ってクラブを振り抜きます。
アドレスではいつもよりボールを右に寄せ、ハンドファーストの度合を大きくします。その際、フェースは少し開きます
インサイドに上げたクラブをインサイドから下ろしてきます
インパクトではフェースがスクエアに戻ります
体の回転とともにフェースが閉じていきます
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力 凾南ゴルフ倶楽部