グリーン周りのアプローチこそスコアを縮めるチャンスです。ここでどれだけ寄せワンを拾えるかが勝負と言えます。反対にここで打数を増やすとスコアメイクになりません。アプローチを成功させるには、できるだけシンプルな打ち方でミスの少ない打ち方を心掛けること。お勧めなのは、ピッチングウェッジを使ったピッチエンドランです。
Q:アプローチで1パット圏内に寄せることができません。何かコツがあるのでしょうか?
A:上げるアプローチよりも転がすアプローチを多用しましょう!
グリーン周りからのアプローチで一番大切なのは、難しいアプローチを成功させることではありません。簡単な状況から確実に1パット圏内に寄せることです。そのためには、自分にとってできるだけミスの少ない打ち方、クラブを選択するべきでしょう。
例えば、ボールからピンまでが20ヤード、ボールから手前のグリーンエッジまでが10ヤードという状況を迎えたとします。ボールからピンまではフラットで、きれいに芝が刈られた花道が続きます。グリーン手前にはバンカーなどの障害物もありません。言ってしまえば、パターでも寄せることは可能ですが、いくら花道が続くとはいえ、グリーン上よりも芝の抵抗がある分、距離感をつかみにくいと思われます。やはり、グリーン上にボールを落としてから転がすピッチエンドランが有効です。
使用クラブはピッチングウェッジです。私の場合、ピッチングウェッジでピッチエンドランを行う場合、3分の1に落として3分の2を転がすイメージです。もちろん、グリーンの傾斜やスピードによってその割合が変わるので、その都度調整します。打ち方は、ボールの位置はスタンスの真ん中、左足ツマ先を少し開き、クラブも若干短く持ちます。両手を左足太モモの前にセットするのでハンドファーストの形になります。あとは右手首の角度を変えずにクラブを上げて下ろすだけです。
基本的にはグリーン上にボールを落としますが、この場合グリーンに直接落とすと3分の1以上をキャリーさせるので、結果的にピンを大きくオーバーします。そのため、カラーの部分に落とすつもりで打ちましょう。
ピッチングウェッジでのピッチエンドランは3分の1に落として3分の2を転がすイメージを持ちましょう。グリーン上に落とすのが基本ですが、場合によってはカラーに落とすこともあります
ボールはスタンスの真ん中、左足のツマ先を少し開き、クラブを短く持ったら、右手首の角度をキープしたまま打ちましょう
◆さらにワンランクアップ! 下り傾斜にアプローチするときはサンドウェッジで打ちましょう
ボールからピンまでが下り傾斜になっている状況では、予想以上にランが多めに出て、ピンを大きくオーバーすることがあります。このような場合、ピッチングウェッジよりもサンドウェッジを使うとピンによる確率が高くなります。
打ち方は先ほどのピッチングウェッジを使う時と同じ要領です。平らな状況ではキャリーが3分の2、ランが3分の1ですが、下り傾斜の場合は3分の1のところにボールを落とし、3分の2を転がすイメージになります。
グリーンの手前にバンカーやスプリンクラーなどがあり、転がせないときにもサンドウェッジは有効です。特にボールを高く上げる打ち方をしなくても、ロフトが大きい分、勝手に上がってくれます。いつもと同じ打ち方をすることが、ミスを防ぐ一番の方法だと考えましょう。
下り傾斜のときはサンドウェッジを使い、平らなライのときよりも手前にボールを落とします
あえてボールを上げる打ち方ではなく、いつもと同じ打ち方をするのがアプローチの成功率を高めるコツです
◆秋山真凜プロフィール
秋山真凜(あきやま まりん)/1996年10月12日生まれ、福岡県出身。158cm。プロ野球「ソフトバンク」前監督で野球解説者の秋山幸二氏の娘。ベストスコア69を記録した中学時代からプロゴルファーを目指し、数々のジュニア大会で好成績をおさめる。TPI Golf Lv.2 Junior Lv.2を取得。現在は、リポーター、スポーツキャスターとして、ゴルフ番組をはじめ多数のメディアに出演。特技は英語、韓国語で、2021年のZOZO CHAMPIONSHIPでは、タイガーウッズ氏のラウンド後のインタビューも担当。『秋山真凜のYouTubeチャンネル』/インスタグラム(@marin_akiyama)
◆取材協力/南総カントリークラブ
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 衣装提供/テーラーメイドゴルフ