パー3のティショットやパー4やパー5でのセカンドショットなど、使いこなせると大きな武器になるフェアウェイウッド。スコアメイクには欠かせないアイテムですが、なかなか上手く当たらないクラブでもあります。そこで今回は小澤美奈瀬プロに、フェアウェイウッドを打ちこなすためのチェックポイントと練習法を紹介してもらいましょう！
ドライバーショットを曲げたくない！シャフトが水平になったときの『グリップエンド』をチェック【小澤美奈瀬プロ直伝】
◆クラブを下から支えるように握りましょう！
フェアウェイウッドでよく聞かれるのが、上から打ち込むのか、横から払い打ったほうがいいのかという質問です。正直、どちらでも構いません。さらに言えば、ボールを上げたいときなど、下からアッパーブローで打ってもいいぐらいです。
ただし、誤解してほしくないのは、極端に打ち込んだり、アッパーブローで打たないことです。あくまでも1度のダウンブロー、1度のアッパーブロー、そしてレベルブローの3つが基本的な打ち方になります。
アベレージゴルファーでありがちなのが、飛距離を稼ごうとして過度なダウンブローになることです。クラブフェースが被り、ロフトが立つどころか、フェース面が下を向くマイナスロフトになると、ボールが高く上がりません。当然、キャリーを稼ぐことができず、チョロの原因にもなります。さらに、フェースが開いて下りてくるので、スライスが出たり、右へ打ち出すことも少なくありません。
それらのミスを防ぎ、ロフトどおりのインパクトを迎えるためにもぜひチェックしてほしいのが、グリップの握り方です。クラブの上から両手を当てて握ると、どうしても必要以上の力が入り、両腕を内側に回すような形でアドレスしがちです。そのままスイングすると、クラブがスイングプレーンから外れ、フェースを開いたままインパクトを迎えます。クラブを握るときは、必ずクラブの下から両手を添えてクラブを支えるように握りましょう。一度クラブを握ってから、親指を離して両手を広げてみるとどのように握っているのか分かります。左手の中指、薬指、小指の3本と右の手の中指、薬指の2本でクラブを下から支えていれば下から支えるように握っていると判断してＯＫです。
下支えのグリップで握ると、極端なダウンブローになりにくいどころか、ヘッドが走り、フェースの芯でボールをとらえる確率が高くなる分、飛距離だけでなく、方向性もアップします。
クラブから親指を離して両手を開いたとき、左手の中指、薬指、小指の3本、右手の中指、薬指でクラブを支えているならＯＫです
クラブに対して上から手を当てて握ると、両腕に力が入り、内側に回した状態でアドレスしやすいので気をつけましょう
両腕に力が入るとフェースが開いた状態でインパクトを迎えてしまいます
下支えのグリップだと、ヘッドが走り、インパクトではフェースの芯でボールをとらえる確率が高くなるので、飛距離も方向性もアップします
◆狭いスタンス、コンパクトスイングでボールを打ちましょう
正しいグリップでは、両手の親指に力は入っていません。あくまでも添えるだけで十分です。グリップが正しければ、自然とバックスイングで正しい位置にクラブが上がります。さらに、ダウンスイングでもスイングプレーンに沿ってクラブが下りやすく、インパクト以降でも左腕が外側に回り、スムーズなフェースターンにつながります。
グリップを正しく握りながらもミスが出る人は、クラブを振り過ぎていることが考えられます。お勧めなのは、両足をそろえた状態から足1足分か2足分離してアドレスし、その状態でボールを打つことです。スイングが大きすぎるとバランスを崩してまともにインパクトを迎えることはできません。自動的にスイングを抑えることになります。その際、体の軸を意識しながらスイングするので、フェースの芯でボールをとらえやすくなります。イメージとしては、通常のフルスイングの7、8割の大きさでスイングするイメージです。抑えたスイングでもしっかりとボールが飛んでいくことを確認できれば、必要以上にクラブを振ることがないと理解できるでしょう。
両足を閉じた状態から1足分か2足分足を広げて構えます
通常より7〜8割のスイングを心がけます
体の軸を意識しながらスイングする分、フェースの芯でボールをとらえます
そのままフィニッシュまで降りぬきましょう
◆教えてくれたのは…小澤 美奈瀬プロ
小澤 美奈瀬／おざわ みなせ 1992年2月6日、愛知県出身。全米女子プロゴルフ協会会員。 テレビ、雑誌、ラジオなど多くのメディアにぴっぱりだこの“ツヨカワ”ゴルファー。ひとりひとりに寄り添う指導でレッスン予約も殺到中。ヘッドスピードは50m/sを超え、過去に人気ゴルフ番組で優勝を果たすなど高い実力を持つ。インスタグラムアカウント（@i_am_minase）
撮影／村上悦子 取材・文／山西英希 取材協力／アクアラインゴルフクラブ（アコーディア・ゴルフ）
