バンカーショットに対して勝手に苦手意識を抱いていませんか？ クラブヘッドを正しい位置に下ろすことができれば、バンカーから脱出することはそれほど難しくありません。大切なのは、ボールを簡単に出せるという安心感です。それさえあれば、バンカーに対する恐怖心もなくなります。まずは、確実にボールを出せるという自信をつけることから始めましょう。
アプローチは、3分の2転がるＰＷ（ピッチングウェッジ）の「ピッチエンドラン」が有効！
Q：バンカーショットが苦手です。ピンに寄せるとかじゃなく、とにかく1発で脱出する方法を教えてください。
A：砂の上に溝をつくり、どこにヘッドを下ろせばいいのかを明確にする練習を行いましょう！
バンカーショットでボールを出せないミスは、すくい打ちをしている人に多く見られます。確かにアゴを越えるにはある程度の高さが必要です。しかし、それはクラブが行うことで、自分で高く上げる動作は必要ありません。ボールを上げる意識が強いと、ダウンスイングでは右足に体重を多く乗せて、下から上にクラブを振ろうとします。残念ながら、その打ち方ではボールの手前をダフり、砂を爆発させることができないため、バンカーからの脱出は失敗に終わります。
さらに、一度でも失敗した経験があると、ダフることが恐怖となり、今度はボールをクリーンに打とうとします。それがトップにつながり、ボールがバンカーのアゴに当たって出ないという結果になります。
まずはボールの手前にクラブヘッドを下ろし、そのままボールの下にヘッドを滑り込ませる打ち方を身につけましょう。砂と一緒にボールを運ぶことができるので、自然とバンカーからボールが出るようになります。練習法としては、砂面に1本のラインを引いたら、そのラインの左淵にボールを置きます。あとは、ボールの手前にある左サイドの壁に向かってヘッドを下ろすだけです。
砂面にラインを引いて溝を作ったら、左淵にボールをセットします
溝の左サイドの壁に向かってヘッドを下ろしましょう
◆さらにワンランクアップ！ 距離感はスイングスピードと振り幅の大きさで調整
先ほどの練習でボールをバンカーから出せるようになったら、あとは本番で同じことをするだけです。もちろん、本番では砂面にラインを書いて溝を作ることはできません。あくまでもボールの後ろに溝があるとイメージして、その左サイドの壁にヘッドをぶつけるつもりでクラブを下ろします。単純にボールの後ろにヘッドを下ろすよりも、溝があるとイメージしたほうが、ヘッドを鋭角に下ろしやすくなるものです。
アドレスでは、ボールをスタンスの真ん中にセットしたら、左足を下げてオープンスタンスに構えます。フェースを開いた方がバンス(ソールのふくらんだ部分)を砂面に当てやすくなるので、リーディングエッジが時計の1時ぐらいを指すようにフェースを開きます。あとは、そのままクラブを上げたら、ボールの手前にある土手に向かって鋭角にヘッドを下ろします。
ボールが出るようになったら、距離感もコントロールしてみましょう。アプローチでは振り幅の大きさで調整ますが、バンカーショットではこれにスイングのスピードもプラスします。ボールを遠くへ飛ばしたければ、フルスイングで素早くクラブを振り抜きましょう。
アドレスではボールをスタンスの中央にセットし、左足を下げてオープンスタンスに構えます。バンスを使いやすいように、リーディングエッジが時計の1時を指すぐらいにフェースを開きましょう
本番ではラインをイメージし、左サイドの壁を目がけてクラブを鋭角に下ろします
距離を出したいときは、振り幅を大きくして、素早くクラブを振り抜きましょう
◆秋山真凜プロフィール
秋山真凜(あきやま まりん)／1996年10月12日生まれ、福岡県出身。158cm。プロ野球｢ソフトバンク｣前監督で野球解説者の秋山幸二氏の娘。ベストスコア69を記録した中学時代からプロゴルファーを目指し、数々のジュニア大会で好成績をおさめる。TPI Golf Lv.2 Junior Lv.2を取得。現在は、リポーター、スポーツキャスターとして、ゴルフ番組をはじめ多数のメディアに出演。特技は英語、韓国語で、2021年のZOZO CHAMPIONSHIPでは、タイガーウッズ氏のラウンド後のインタビューも担当。『秋山真凜のYouTubeチャンネル』／インスタグラム（@marin_akiyama)
◆取材協力／南総カントリークラブ
撮影／村上悦子 取材・文／山西英希 衣装提供／テーラーメイドゴルフ
