男性と比べて力の弱い女性ゴルファーにとってラフは大敵です。特に夏ラフは芝が強いので、一度入ってしまうとなかなか脱出できません。今回はそんな夏ラフ対策をレッスンします。米澤有プロによれば、夏ラフは「短く持つ」、「フェース開く」、「強く握る」の3つさえ守れば大丈夫とのこと。ぜひ実戦で試してみましょう!
ボールが上がりにくいなら、6番アイアンは抜く!クラブセッティングの考え方【米澤有プロLESSON!】
◆夏ラフからはナイスショットよりも脱出優先!
芝が元気な夏ラフから打つ場合、女性ゴルファーには守ってほしい3つの約束事があります。1つ目はクラブをしっかり握ること。よくラフからはグリップ圧を強めてはいけないと言われますが、それは男性ゴルファーに限ったことです。レディス用のクラブはグリップが細く、ましてや握力が強くない女性ゴルファーがクラブを柔らかく握ったら、芝の抵抗に対して完全に負けてしまいます。それを防ぐためにも、目一杯の力で握っておきましょう。
2つ目はクラブを短く握ることです。クラブをいつもと同じ長さで握っていると、どうしてもボールの横からクラブヘッドが下りてきます。その分、芝の抵抗が大きくなります。クラブを短く持つことにより、スイング軌道がいつもより縦振りになり、ボールの上からヘッドが下りてきます。その分、芝の抵抗が小さくなるというわけです。フェアウェイウッドだろうが、ウェッジだろうが、ラフから打つときはグリップとシャフトの境目辺りを握りましょう。
3つ目はクラブフェースを開くことです。芝がネック部分に絡むとインパクトを迎える前にフェースが返ってしまいます。それを計算して、アドレスではあらかじめリーディングエッジが時計の1時を指すぐらいまで開いておきましょう。多少フェースが返ってもちょうどスクエアになり、真っすぐ飛んでいきます。
以上、3つのことを守っていれば、フェアウェイからと同じように打てるとまでは言いませんが、最低でもラフから脱出できる確率が高くなります。
夏ラフにつかまったら、ナイスショットすることよりも、確実に脱出することを優先しましょう。
夏ラフから打つときは、グリップとシャフトの境目付近を握るつもりで短く持ち、グリッププレッシャーもMAXでいきましょう
夏ラフではネックに芝が絡んでフェースが返りがちです
あらかじめフェースを開いておくと、芝が絡んでスクエアに戻るだけです
クラブを短く持つことで、スイング軌道が縦振りとなり、ボールの上からヘッドを下ろせるようになります
◆ファーストカットを甘く見ないこと
冬場なら芝が枯れているので、多少ラフに沈んでいてもボールを楽に打てることもあるでしょう。ところが、元気な夏ラフではそうはいきません。間違いなくヘッドに芝が絡みついてきます。通常のラフなら皆さんも芝の強さを想像できると思いますが、盲点なのがセミラフです。ファーストカットとも呼ばれますが、フェアウェイとラフの間にある少し短くカットされたラフです。この場合、ボールが沈むことはなく、半分以上見えていることもあるので、普通に打てると思いがちですが、しっかりと芝の影響を受けます。
油断することなく、先ほど説明した、グリップを強く握り、短く持ち、フェースを開いて構えましょう。普通に打ってしまうとシャンクや引っかけなどの思わぬミスが出るので要注意です。
また、短い距離を打つアプローチでも油断禁物です。やはり3つの約束事は守ってください。そのほうが自分のイメージに近いボールを打つことができます。ガチガチに握っていたら飛びすぎると思う人もいるでしょう。柔らかいボールを打ちたければ、クラブをゆっくりと振るだけです。女性ゴルファーの場合、比較的ゆっくり振ることが多いので十分対応できるはずです。
夏ラフでは、ボールが見えている状況でも油断しないこと。3つの約束事を必ず守りましょう
◆米澤有プロ/プロフィール
1989年生まれ、大阪府出身。168cm。B型。大阪府高校ゴルフ選手権女子の部で優勝を果たし、頭角を現す。ステップ・アップ・ツアーやレギュラーツアーに出場するかたわら、TVや雑誌をはじめとしたメディアでも活躍中。 インスタグラムアカウント(yu.u.yonezawa)
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/オールドオーチャードゴルフクラブ【PGM】