ドライバーショットで会心の当たりが出て、フェアウェイをキープ。ところが、次のショットで信じられないようなミスをして、結局ダブルボギー……。そんな経験をしたことはありませんか? 実は、ナイスショットをしたときこそ、一度気持ちをフラットに戻すべきだと木原睦美プロは言います。果たして、その真理とは?
【木原睦美プロが教える】長いクラブでミスが出る人は、ピッチングウェッジでのスイングをイメージしましょう!
【素朴なギモン】どうしてナイスショットの後にミスショットが出るの?
【木原プロのアンサー】気持ちを切り替えずに、次のショットに臨んでしまうからです
ドライバーでナイスショットが出ると、ついつい夢が膨らみますよね。「次のショットも成功してグリーンに乗せればパーセーブできるな」とか、「ひょっとしたらバーディも……」など、勝手に想像しちゃう気持ちはよく分かります。でも、ちょっと待ってください。実は、その妄想こそがミスショットの原因になっているんです。
よくありがちなのが、ミスショットをした後に続けてミスをすること。「次もまたミスをしたらどうしよう」、「ああ、あのミスさえなかったら」と、マイナスな気持ちを引きずっていることが要因と言われます。そのため、ミスをしたときはすっぱりと気持ちを切り替えて次のショットに臨むことが鉄則です。
でも、気持ちを切り替えるのはミスショットの後だけじゃないんです。むしろ、ナイスショットをした後のほうが気持ちを切り替えるべきでしょう。というのも、勝手に頭の中で、次もナイスショットが打てるものと決めつけているからです。その結果、ショットに対する慎重さが消え、ルーティーンなど本来やるべきことをおろそかにします。当然、ミスの確率が高くなり、信じられないようなミスが出てしまうのです。
また、ナイスショットをした後だからこそ、次もナイスショットしなければいけないと考える人もいるでしょう。それもプレッシャーとなり、やるべきことを忘れる要因となります。
ミスしようが、成功しようが、打ち終えた以上はもう過去なんです。過去は断ち切り、次のショットに集中するのが正解です。ボールに対して、新たな気持ちで「よろしくね」といい、いつもと同じルーティーンを行いましょう。
ドライバーでナイスショットした後こそ、気持ちを切り替えましょう
◆ルーティーンは声を出して行いましょう
ドライバーでナイスショットした後は、セカンド地点にいくまで頭の中は嬉しさとワクワク感で一杯です。さあ、次もナイスショットするぞという自分への期待感も大きいでしょう。そんなハッピーオーラを捨て去り、次のショットに集中するには、声を出しながらのルーティーンが有効です。
例えば、「ボールの手前で1回素振りをする」と言いながら素振りを行います。さらに、「ボールから3歩後ろに下がって、ターゲットを見て、スパットを決める」と言いながら、その通りに動きます。「両足を閉じたままフェースのスコアラインをスパットに合わせて、グリップをつくって、左足→右足の順でスタンスを広げる」、「最後にワッグルをして、よしいくぞ」と、続けます。この時点で頭の中からは先ほどまでのハッピーさは消え、次のショットに集中しているはずです。あとは、そのまま自分のスイングをすることだけを心がけましょう。
「ボールの手前で1回素振りをする」と言いながら素振りを行います
「ボールの後ろに立って、目標を確認したらスパットを見つける」と言いながら行動します
「両足を閉じたままフェースのスコアラインをスパットに合わせ、グリップをつくり、左足→右足の順でスタンスを広げる」と言いながら行動しましょう
◆教えてくれたのは…木原睦美プロ
Reginaでのわかりやすいレッスンが大好評! “広島で一番予約が取れない”と話題の、USLPGAティーチングプロ。「mutsumischool」にて、技術・マナー・メンタルに至るまでのトータルゴルフレッスンを実施。2022年11月からは全国を回ってのレッスンをスタート。生徒一人ひとりのゴルフ人生を豊かにするための指導を行っている。YouTube「木原睦美のHappyゴルフ」でも、独自のゴルフ理論を展開中。
撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 撮影強力/ドライビングレンジ東新宿