9番アイアンで打っても、8番アイアンで打っても、7番アイアンで打っても、あまり飛距離が変わらない人っていませんか? これでは何のためにアイアンがたくさんあるのか分かりませんよね。その原因はスイングにあると木原睦美プロは言います。それではどうしたら、飛距離に差が出るのでしょうか?
【木原睦美プロが教える】ドライバーでナイスショットしたときこそ、次のショットはルーティーンに集中すべし!
【素朴なギモン】どうして番手によって飛距離の差が出ないの?
【木原プロのアンサー】アイアンが持つポテンシャルを生かし切っていないからです
9番アイアンで70ヤードの飛距離なら、8番アイアンでは80ヤード、7番アイアンでは90ヤード、6番アイアンなら100ヤードは飛ばしたいところです。ところが、どのクラブで打っても70ヤードぐらいという人がいます。同じようにスイングしているのに一体なぜ? と思うかもしれませんが、あえて言わせてもらいます。番手を替えても飛距離がさほど変わらない人は、きちんとクラブを振ることができていないからです。
おそらく多くの人が9番アイアンではしっかりとその番手に合った距離を出していると思います。その理由は、9番アイアンに対して苦手意識がないからです。それどころか、むしろ振りやすいクラブだと思っているかもしれません。その結果、9~10割に近いスイングをできるため、番手に合った飛距離を得られます。
ところが、8番、7番、6番と番手が上がるにつれて、7割、6割、5割とスイングの完成度が落ちてきます。スイングスピード、ミート率が落ちれば、当然飛距離も伸びませんよね。その結果、8番で打っても7番で打っても6番で打っても同じような飛距離になってしまいます。
番手に応じた飛距離を得たいなら、しっかりと振ることを心がけましょう。もちろん、最初から10割のスイングにすることはありません。まずは8~9割の完成度を目指しましょう。
アイアンの番手に応じた飛距離を出したいなら、しっかりと振ることを心がけましょう
【コレで解決!】重いクラブでの素振りが効果的
それではどうしたら、9割スイングができるようになるのでしょう? 答えは素振りです! できれば7番アイアンに90グラムの重りをつけて振るといいでしょう。重りがない人は、クラブを2本持っての素振りでも構いません。
試しに、7番アイアンと8番アイアンの2本を用意してください。クラブヘッドを重ねるように2本のクラブを合わせて握ります。グリップの強さは思い切り強く握ったときを100としたら、30ぐらいです。軽く握ることでヘッドの重さを感じるようになります。クラブを振ったときに飛んでいくのでは? と心配するかもしれませんが、グローブをはめていれば、意外と飛んでいかないものです。どうしても心配な人は、近くに人がいないことを確認してから素振りを行いましょう。
3回から5回ほどスイングしたら、7番アイアンだけ持ってスイングします。最初のときよりも間違いなく、ヘッドスピードが上がっているはずです。クラブ1本での素振りしか行っていないと、そのようにヘッドスピードは上がりません。重りを付けたり、2本で素振りをするからこそ、1本での素振りを楽に感じるわけです。練習場ではもちろん、ラウンド中も時間に余裕があるときは2本素振りを試してみましょう。
クラブを2本重ねて、3割ぐらいの力で握り、素振りを3~5回繰り返しましょう
その後で7番アイアン1本でクラブを振ったら、ヘッドスピードが上がったことを実感できます。あとは本番でも同じスイングをするだけです
◆教えてくれたのは…木原睦美プロ
木原睦美プロ…Reginaでのわかりやすいレッスンが大好評! “広島で一番予約が取れない”と話題の、USLPGAティーチングプロ。「mutsumischool」にて、技術・マナー・メンタルに至るまでのトータルゴルフレッスンを実施。2022年11月からは全国を回ってのレッスンをスタート。生徒一人ひとりのゴルフ人生を豊かにするための指導を行っている。YouTube「木原睦美のHappyゴルフ」でも、独自のゴルフ理論を展開中。
撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 撮影協力/ドライビングレンジ東新宿