100切りを目指す女性ゴルファーに伝えたいゴルフの基本。今回はラフからの打ち方について説明します。これからラフが長くなる季節を迎えますが、ボールを出せなかったり、飛距離が出なかったりなど苦い経験をした人も多いのでは? 実はラフからナイスショットするにはちょっとしたコツがあるんです。今回もJLPGAティーチングプロ資格A級の資格を持つ石坂翔子プロがレッスンします!
【Q】「ラフから上手く打つための対処法を教えて下さい!」
【A】「ほうきでゴミを払うように、クラブを動かしてみましょう」(石坂プロ)
男性のような力がない女性ゴルファーにとって、ラフからのショットは難しく感じるかもしれません。よくあるミスとしては、ラフがクラブヘッドに絡みフェースが開閉してしまうこと。これは、ラフの状況に応じてのフェースの向きやスイングが出来ていないことが原因です。
そういったミスを防ぐ方法としては、グリップを緩ませないこと。ボールの上から鋭角にクラブを下ろさないこと。ボールを上げようとして下からすくい打とうとしないことです。
正しい打ち方は、ボールを左足カカト内側の延長線上、もしくはそれよりも中に置いて、フェースはスクエア。ラフが長く密集していれば、草の抵抗を考え、少しフェースを開いておきます。スタンスは広げず、肩幅ぐらいに。あとはほうきでゴミを払うときのイメージでヘッドを下ろして振り抜くだけです。
払い打ちをすると、入射角が緩やかになり、芝から受ける抵抗が小さくなります。ソールを滑らせるつもりでヘッドを横に動かしましょう。このとき力を入れると、ヘッドがグサッと芝に刺さってしまい、ダフリなどのミスにつながるので要注意です。
スタンスは肩幅ぐらい、ボールを左足カカト内側の延長線上かそれよりも中に入れます
ほうきでゴミを払うようなイメージでヘッドを下ろして振り抜きましょう。入射角はなるべく“緩やかに”が基本
フェースをスクエア、または状況に応じて開く
◆ボールが半分以上埋まっているならハーフショットで打とう
ラフからのショットが上手くいかない人は、大振りになっているのかもしれません。ボールを強く打たなければラフから出ないという気持ちが、スイングを大きくしているのでしょう。先ほども説明したように、ラフからのショットは、力を入れすぎるとクラブフェースに草が絡み、ミスショットになる場合があります。クラブを短く持ち、ハーフショットをするつもりで打ちます。
使用クラブですが、ボールがラフから半分以上出ていれば、ユーティリティやフェアウェイウッドでフルショットしても構いません。ただし、ボールが芝の中に半分以上埋まっているときは、ショートアイアンでのハーフショットが賢明です。いきなりグリーンに届かせようとせず、フェアウェイに出すつもりで振りましょう。ジャストミートすれば、ボールは予想以上に距離が出るので、グリーンの近くまで運べる可能性もあるでしょう。
ハーフショットを行う際も、ほうきでの払い打ちを忘れないことです。注意点は手だけでクラブを動かすのではなく、しっかりと体の回転でクラブを上げたら、体の回転で下ろし、そのまま振り抜きましょう。
ボールがラフに沈んでいるときは、両手が腰から腰までのハーフショットで打ちましょう
バックスイングでは、両肩と両手でできる三角形を意識して、体の回転を忘れずに
フォローでも両腕を伸ばして回転しましょう
ハーフショットでもジャストミートすれば、ボールは意外なほど飛距離が出ます
ほうきの払い打ちを意識して打った結果、ボールは見事ラフから脱出!
◆100切りを目指す読者モデル・Remiさんの感想は?
「ラフから上手くボールを出せなかったのに、石坂プロから“ほうきの払い打ち”を教えてもらった途端、しっかり出せるようになりました。ハーフショットの方が思い切り振るよりも安全ですし、意外と距離も出てくれました」
教えてくれたのは…石坂翔子プロ(ダンロップスポーツマーケティング)
1995年生まれ、東京都出身。JLPGAティーチングプロフェッショナルA級。ダンロップクラブドクターとしても活躍中。ゴルフ好きの両親に勧められて、小学生の頃からクラブを握る。高校は名門、杉並学院に入学しゴルフ部に所属。大学でもゴルフを続け、2017年にダンロップスポーツマーケティングに入社。
コンスタントに100切りを目指す読者モデル/mamiさん、Remiさん
mamiさん〈ゴルフ歴2年、ベストスコア97(100切りを1度だけ!)、平均スコア105〉、Remiさん〈ゴルフ歴:1年3ヶ月、ベストスコア100(しかも2回!)、平均スコア107〉
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 撮影協力/アクアラインゴルフクラブ【アコーディア・ゴルフ】