ゴルフ初心者にとって、初ラウンドを楽しい思い出にするためにも、ゴルフ場に「いつ到着すればいいのか」「練習ではどんなことをするのか」、流れを知っていて損はありません。前夜の準備から当日、スタートホールをティオフするまで、理想的な“ラウンド前のルーティーン”を、甲田良美プロが教えてくれました!
◆前夜からゴルフは始まってる! 行き帰りの服装はジャケット+ウェアでコンパクトに
ラウンドをする場合、通常は早朝からのスタートになるので、早起きは必須。朝は時間がないので、前日の夜に、入浴後の着替えなど必要なものをバッグに詰めておきましょう。当日着るウェアも決めておき、すぐに着られるように準備しておきます。
ラウンド初心者にとって、行き帰りの服装も悩ましいですよね。今は夏なので、ゴルフウェアのままゴルフ場へ行っても構わないと思います。夏以外なら、ウェアの上にジャケットを着るのがおすすめ。ドレスコードに厳しいところなら、スカートはゴルフウェアで、トップスはゴルフ場に着いてから着替えるようにすると安心です。
◆準備は前日に! スタート1時間半前にゴルフ場到着が理想的
ゴルフ場への到着時間はスタートの1時間半前が理想です。キャディバッグを降ろしたりチェックインしたりで15分ぐらいは取られますが、1時間半前に到着しておけば、練習に1時間は費やせます。
車での到着時間を調べる場合にも、注意したいポイントがあります。前夜に調べると、リアルタイムでの車の通行量が少ないため、思ったよりも短い時間で到着すると表示されることがあります。ただし、朝は車が混み合い、前夜に調べたときよりもはるかに所要時間が長くかかってしまうことがあります。そんなピンチを防ぐために、前夜に“所要時間1時間”と出たなら、その30分前には自宅を出ることをおすすめします。
さて、余裕を持って1時間半前にコースへ到着し、準備が整ったらまずは練習場へ。基本はレンジ20分、アプローチ20分、パッティング20分ですが、大切なのは順番です。スタートのティグラウンドから場所が遠い順に練習していくと、時間をロスすることがありません。クラブハウスに近いからといってパッティングから練習し始めると、ショットやアプローチの時間がなくなってしまうことも珍しくないので要注意です。
スタートホールのティグラウンドから遠い順に練習しましょう。そうすることで時間の無駄なく、ショット→アプローチ→パッティングの練習ができます
◆タイパ重視! 朝練はどのクラブを何分? 甲田プロのおすすめはコレ!
ショットの練習をどのクラブで行えばいいのか分からない人もいるでしょう。球数や時間の関係上、全クラブで練習することは難しいので、自分なりにセレクトしたクラブで打ちます。
私の場合、58度のウェッジ、9番、7番アイアン、ユーティリティ、5番ウッド、ドライバーの6本を持っていきます。仮に1コイン30球だとしたら、まずはウェッジで体を動かすのを目的に5球打ちます。しっかりと体を捻転して打つのがポイントです。次に9番アイアンで3球、7番アイアンで2球打ち、ユーティリティで2~3球、5番ウッドで1~2球、1Wで3、4球打ちます。これで20球近くになるので、残りの10球は今朝の調子が今イチだったクラブで打ちましょう。
初心者はとかくドライバーなど長いクラブで打ちたがりますが、ドライバーはコースで14回しか使いません。アイアンは毎ホール使うことを考えれば、どちらを優先的に練習するべきかは明白でしょう。ボールを打つ順番は短いクラブからをお勧めします。
練習はスタートの1時間15分前から取り組んでほしいです。ショット20分、アプローチ20分を行ったら、パッティングを練習します。10分練習したら、練習グリーン近隣か、クラブハウスのトイレに行って最後の身だしなみを整えましょう。日焼け止めを塗ったり、お化粧直しもこのタイミングです。それが終わったらパッティングの練習に戻り、10分間行います。
◆ティイングエリアにはジャストタイムではなく、最低5分前に到着して
ビギナーだけでなく、勘違いしている人も多いのですが、「スタート時間」とはティオフする時間です。ピッタリにティイングエリアへ行くのは遅刻だと心得てください。最低でも5分、できれば10分前にはティイングエリアへ行くようにしましょう。
甲田プロは58度のウェッジ、9番アイアン、7番アイアン、ユーティリティ、5番ウッド、ドライバーの6本を練習場へ持っていきます
◆教えてくれたのは…甲田 良美プロ
こうだ・よしみ/栃木県出身。現在フリー。1983年生まれ。18歳から競技をはじめ、2009年にプロテスト合格。2009年に下部ツアー「LIONレディースカップ」で優勝し、2010年「リゾートトラストレディス」でツアー初勝利をあげる。
撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 取材協力/長太郎カントリークラブ【PGM】