スコアメイクの大敵はメンタルにもあります。ダブルボギーやトリプルボギー、もしくはそれ以上の大叩きをすると、そのショックは次ホールにも響き、さらなるミスショットを引き起こしがちです。やはり、悪いスコアでもスッと切り替えられる強いメンタルは必要でしょう。そこで今回は甲田良美プロにメンタルが強くなる方法を伝授してもらいます。
パー4の攻略法! 池越えホールはあえて“目線を低く” してから構える【甲田良美プロLESSON】
◆ショットの前に必ず次打のことを考える習慣をつけよう
確かに私もダブルボギーやトリプルボギーを叩いたときは凹みます。でも、それは次のティグラウンドに上がるまでの話です。なぜなら、次のティグラウンドに上がった時点で、前ホールでのスコアは過去の話になるからです。そんなことよりも、次に迎えたホールでどうすればパーやバーディで上がれるのかを考えます。むしろ、いろんなことを考えなければならず、落ち込んでいる暇がないというのが正解かもしれません。
私がティショットの前に考えることは5つあります。
1.ボールの状況をチェック
ティグラウンドといえども、真っ平とは限りません。どのように傾いているのかをチェックします。さらに、ティグラウンドの右サイド、左サイドのどちらに立った方が目標を狙いやすいのかも確認します。
2.落としどころをチェック
両サイドに何があるのか、風向きや傾斜を確認。パー3ならピンまでの距離だけでなく、手前のエッジからピンまでの距離、ピンから奥のエッジまでの距離を確認します。
3.どのような球筋で攻めるのかイメージづくり
目標に対してフェード系のボールで攻めるのか、ドロー系のボールで攻めるのかを確認。それに合わせてのスイングをチェックしながら球筋をイメージします。パー3ならグリーンをキャリーで狙うのか、手前から転がしていくのかも確認します。
4.3のイメージに合ったアドレスの確認
フェード、ドローに合わせて体のラインがどこを向いているのかをチェックします。
5.自信を持ってスイング!
アドレスしてから右に池がある、左にOBがあるなと思った時点でアウトです。ドローを打とうとして右を向いたのに、池が怖いから左を向いた時点で4が崩れます。同時に、3のイメージも崩れます。一度構えたら、自信を持ってスイングすることに集中しましょう。
どのような球筋で打つのかしっかりとイメージづくりをすることが大切
自分がこれから打つ球筋に合わせて、体のラインを合わせます。フェードなら体のラインを目標の左に、ドローなら体のラインを目標の右に向けます
イメージが出来上がり、それに合わせたアドレスが完成したらあとは自信を持ってスイングするだけです
◆「ミスしたらどうしよう」ではなく、「これでミスしたら仕方がない」と考える
1から5の手順はティショットに限らず、セカンドショットでもアプローチでもパッティングでも同じです。これをルーティーンとして常に行うようになると、スコアのことなど気にしなくなるので、集中力が増します。
大切なのは、1から5までの順番を変えることなく、すべてやり切ることです。それでミスが出たら、番手選びに問題があったのではないか、風の影響ではないか、パッティングならラインを読み違えたのではないかど、原因を考えます。基本的にはダブルボギーやトリプルボギーを叩いても、1から5までのどれかに原因があるので、そこさえ気をつければ、同じミスをする確率は低くなります。
大切なのは、普段の練習でもこの5つの決まり事を意識しながらボールを打つことです。ただし、練習場は平らなので、3から5までをしっかりと行いましょう。ミスしたらどうしようではなく、これでミスしたら仕方がないと思って打てるようになれば、メンタルは相当強くなります。
1~5までの決まり事はティショットだけでなく、セカンドショットやアプローチ、パッティングでも実践しましょう
◆教えてくれたのは…甲田 良美プロ
こうだ・よしみ/栃木県出身。現在フリー。1983年生まれ。18歳から競技をはじめ、2009年にプロテスト合格。2009年に下部ツアー「LIONレディースカップ」で優勝し、2010年「リゾートトラストレディス」でツアー初勝利をあげる。
撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 取材協力/長太郎カントリークラブ【PGM】