スイングを変えずに、クラブを替えるだけでも飛距離アップは可能です。ドラコンの世界女王・大和田紗羅プロも通常のラウンドとドラコン競技に出場するときでは、異なるクラブを使っています。そこで今回はどのようなクラブが飛距離アップに適しているのか、聞いてみました。
冬から春にかけてのフワフワのラフからなら“直ドラ”のチャンスあり!【ドラコン世界女王・大和田紗羅が教えます】
◆男性用ドライバーで打つと飛ぶのは、クラブが長いから
練習場やコースへ行った際、男性用のドライバーでボールを打った経験はありませんか? 最近は男性用のドライバーもそれほど重くはないので、女性でも振り切れると思いますが、フェースの芯でボールをとらえると予想以上に飛びますよね。その理由はレディスよりも長めのシャフトを付けているからです。クラブが長くなれば、それだけ遠心力が大きくなり、自然とヘッドスピードが上がります。きちんとクラブフェ―スの芯でとらえることができれば、飛距離は間違いなくアップします。
ただ、男性用のドライバーは一般的なレディスよりもシャフトが硬いので、今自分が使っているドライバーと同じシャフトの硬さのまま長くしてみましょう。
私も通常のラウンドでは45.5インチのドライバーを使っていますが、ドラコンでは47.85インチを使います。硬さは前者がS、後者がAです。なので、シャフトを長くする場合、少し軟らかくしてもいいかもしれませんね。
大和田プロはドラコンでは47.85インチのドライバーをゴルフレーヴのLOVEGUN(ラブガン)です。シャフトは通常よりも軟らかめになっています
◆インパクト以降で音を鳴らすイメージ
飛距離が出ないと悩む人の共通点は、力みにあります。力むと、バックスイングからトップでヘッドスピードが最大となり、トップでシャフトがしなります。それこそ、バックスイングでビュンとクラブを振ったときの音が鳴っているイメージです。当然、インパクトゾーンではヘッドスピードが落ちているので、飛距離が伸びません。
ドラコンプロはバックスイングで結構ゆっくりとクラブを上げています。ダウンスイングの切り返しからダウンスイング、インパクト、フォローと徐々にスピードを上げるイメージです。すると、ダウンスイングと同時にシャフトがしなり始め、インパクトの手前でシャフトのしなり戻りがあり、そのままフォローを迎えます。そのときにヘッドスピードが最大となり、ビュンという音も聞こえてきます。
クラブを長くして飛距離を稼ぎたいなら、今まで以上にバックスイングをゆっくりと行いましょう。アドレスが“イチ”ならバックスイングは“ニー”で、ダウンスイング以降が“サン”です。ニーと伸ばしながらゆっくり振ることで、ダウンスイング以降にヘッドスピードを上げることができると考えましょう。
バックスイングはできるだけゆっくり行いましょう
ダウンスイングからしなり始め、途中でしなり戻りがあってインパクト、フォローを迎えます。フォローでビュンという音が鳴ります
そのままフィニッシュまで振り抜きます
◆教えてくれたのは…大和田紗羅プロ
おおわださら/1994年生まれ。福島県出身。日本人女子選手として初めて2022年女子ドラコン世界チャンピオンに輝く。公式最長飛距離342ydの記録保持者。ティーチングプロフェッショナル資格 A級とJLPGAジュニアゴルフコーチ資格を持つ
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/東京相武カントリークラブ(アコーディア・ゴルフ)