171cmという長身に恵まれた柏原プロのドライバーショットは、ダイナミックなスイングアークから放たれる、抜群の安定感が魅力。
その元となるアドレスは、完璧。真似すべきポイント満載なので、ぜひ注目してください。個人的にも好きなスイングです。
アドレス
バランスがパーフェクト。グリップを少し短く持ち、自分が最もいいポジションを見つけています。ドライバーは飛距離を出そうと長く持ちたくなるかもしれませんが、自分の振りやすい長さで持つことこそが、飛ばしにおいては重要。自分のクラブのヘッドが少し重いな、と感じたら数センチ短く握ると軽く感じられ、振りやすくなるかもしれません。いろいろ試してみましょう。
テークバック
左手でグリップを押してコックを強めにするのが柏原プロの特徴。グリップエンドよりヘッドが外側にあります。
左手で押すと左肩が下がるので、テークバックで左肩が上がってしまう人は、まねしてみましょう。
筋力ありきの動き。下半身が安定し、とくに右足が動いていないところに注目です。
トップ
トップの位置がとても高い。これはスイングアークが大きい証拠。ダイナミックに振って飛距離を出せるカタチです。リストコックが多めですが下半身のスエーもなく、両腕が胸の前から外れていません。高い安定感を感じます。レベルは高いですが、スキルアップを目指すならぜひとも参考にしてください。
切り返し
ここまでキープしていた下半身を、ここから使っていきます。両足裏で地面を抑え、圧をかけていることが見て取れます。高いところから真下に下ろしてくるイメージです。
ダウンスイング
胸が右を向いたまま下半身が回転しています。シャフトが背中側から下りてきていることが分かります。肩の開きが早い人はこれができないので、例えばカット打ちの方はこの「胸が右を向いたまま」というカタチを意識するといいでしょう。
右ひじが右わきについたままですが、ここでもまだクラブを振らず、上半身と下半身の捻転差を最大にしています。右肩がまだ後ろにあることも分かります。
あれだけ高く上げたクラブをここまで耐えられているのは、すごい!
インパクト
背中側から下りてきたクラブをここで一気に解放。理想的なビハインドザボールのカタチです。
フォロースルー
フェースローテーションは少なめなので、飛距離も出ますが、方向性も安定します。手先ではなくカラダの回転を止めずにボールをつかまえています。
トップ同様、フォロースルーも大きいですね。手元がこの位置にあっても、前傾はまったくズレていません。肩周りの柔軟性が優れていないと、なかなかできません。長身が十分に生かされていますね。
フィニッシュ!
フィニッシュは、右肩とクラブヘッドが目標を指し、最後まで大きなアークをキープしています。素晴らしい!
柏原プロのスイングは、コマ割りで見ると独特に見えますが、流れで見ると本当にきれい。ぜひ動画で見てください!
柏原明日架(かしわばら・あすか)
1996年生まれ、宮崎県出身。171cm。B型。7歳からゴルフを始める。アマチュア時代から競技で活躍。2014年プロテスト合格。2019年「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で悲願の初優勝を果たすと同年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」も制し年間2勝を挙げる。ツアー通算2勝。昨季賞金ランク46位。今季賞金ランク72位(5月22日時点)。クラブ/キャロウェイ ウェア/デサントゴルフ 所属/富士通 Instagram @ asuka___official
解説/伊藤祐子プロ
代官山の「K’s Island Golf Academy」インストラクター。豊富なスポーツの経験を生かした一人ひとりに寄り添うレッスンは、予約解禁日に即日満了するほど人気。とくに女性からの信頼が厚い。フォロワー5.3万人以上の Instagram【@yuko_ito630golf】でレッスン動画などを配信中。会員制サロン「YUKO Premium salon」や、YouTube動画も展開。
「ツアープロにティーチングプロがついているように、アマチュアにも同じ方向を見て寄り添い、目標に導いてくれる人が必要です。その存在になれれば幸せです」
取材・文/たかはしよし子 撮影/Getty Images、ALBA.Net