現在、広島を中心に週150人以上の生徒にレッスンをしている木原睦美プロが教える上達のコツ。
今回のテーマはチップショットです。ランニングアプローチとも呼ばれる打ち方ですが、要は転がしです。アプローチの中では最も簡単な打ち方といわれますが、アベレージゴルファーには距離感が難しいという声も。そこで、今回は木原プロが魔法の距離感を授けます!
『12-〇=□』という12の定理を使えば、どのクラブでどれだけ転がるかが分かる!
チップショットはキャリーが少しでもランが多いのが特徴です。使用クラブは7番アイアンからサンドウェッジまでのどれでも構いません。ピンまでの距離に応じて使い分けます。ここで役立つのが12の定理です。『12-〇=□』という公式ですが、〇には自分が使う番手の数字(ピッチングウェッジは10番、アプローチウェッジは11番、サンドウェッジは12番とする)を入れます。自分がキャリーさせたい距離に□の数字を×と、それがランの距離となります。
〇の中に自分が持つ番手を入れ、自分がキャリーさせたい距離に□を×とランの距離が出る。ちなみに、サンドウェッジでは12-12=0、3×0=0になるが、多少のランは出る
アプローチは“アドレス命”といってもいいぐらい、構えが大切です。
両足を閉じた状態で、ボールをスタンスの中央、もしくは右足の前にセットします。
次に、左足を足の幅分ほど左へ移動します。右足は動かしません。グリップエンドが左足股関節の前にくるように構えましょう(ちなみに、クラブヘッドよりも両手が目標寄りにあるので、この形を“ハンドファースト”と言います)。
左右均等ではなく、左足に体重を少し乗せましょう。クラブフェースは開いたり、閉じたりせずに、目標に向けておきます。
両足を閉じた状態から左足だけを足の幅分左に移動する。ハンドファーストに構え、体重を左足にやや多めに乗せる
どれだけボールをキャリーさせたいかによって、振り幅が変わります。
基本的には、同じ距離をキャリーさせる場合、ロフトの大きいクラブのほうが振り幅は大きくなります。例えば、サンドウェッジで3ヤードキャリーさせるなら右ヒザから左ヒザまでの振り幅になりますし、7番アイアンで3ヤードをキャリーさせるなら、その半分ぐらいの振り幅です。
これはあくまでも個人差があるので、自分の振り幅とキャリーを見つけておきましょう。1本のクラブで何ヤードも打ち分けるより、どのクラブでも確実に同じ距離をキャリーさせる練習をしたほうが、上達は速いと思います。
サンドウェッジで3ヤードをキャリーさせたときの振り幅
7番アイアンでの3ヤードをキャリーさせたときの振り幅