美人レッスンプロとして活躍中の髙久あずさプロ。ジュニア時代から大きな大会で活躍した経験を生かしつつ、独自に学んだ理論で多くのアマチュアゴルファーに効果的なアドバイスを送り続けています。今回のレッスンでは、120切りが目標の初級者と常に70台を目指す上級者からの質問にお答えします。もちろん、アベレージゴルファーにも参考になるポイントが多くあるので、ぜひスコアアップに生かして下さい。
第4回は、誰もが悩む「ボールが当たらなくなったときの練習法」についてアドバイスします。
Q 練習場で変な当たりしか出なくなるときがあります。解決法を教えてください!
A 右手、あるいは左手1本でアプローチしてみましょう!
初級者の方に多いのが、練習場でナイスショットが長続きしないことです。上級者のように常に安定したスイングをできないと連続してナイスショットは打てません。そこでお勧めしたいのが、片手打ちのアプローチです。
本来、私は生徒さんに最初の20分間はアプローチの練習をしていただきます。なぜならアプローチはスイングの基本であり、クラブを振る形を体に覚え込ませてほしいからです。
ところが、初級者の多くはアプローチを練習する際、何も考えずにポンポンと打ってしまいがちです。実は右手と左手にはそれぞれの役割があることをご存知ですか? 右手にはクラブヘッドの入射角(ヘッドが下りてくるときの角度)やスイング軌道を安定させる仕事が、左手にはクラブフェースの向きを整える仕事があるんです。
簡単に言えば、右手でヘッドを狙ったところに下ろし、左手でフェース面を目標に対してスクエアに合わせる感じですね。おそらく両手打ちだとこの感覚をつかみにくいので、まずは片手でクラブを振ってみましょう。
最初に右手ですが、アドレスでの手首と甲の角度をスイング中もキープすることが大切です。この角度が変わってしまうとアーリーリリース(早めに手首の角度を伸ばすこと)となり、スイングの最下点がかなり手前に来てしまいます。ダフリが多い人はこのパターンです。
次に左手ですが、甲が正面や上を向くとフェースは開き、甲が下を向くとフェースは閉じます。インパクトゾーンでは左手を返さず、甲を目標に向けたまま振り抜くと、フェース面も目標を向いた状態でインパクトを迎えるので、狙った方向に打ち出せます。まずは、それぞれの注意点を頭に入れながらボールを打ってみましょう。
右手甲と腕の角度を変えずにインパクトを迎えると、ダフリを防げます
左手甲が上を向くとフェースが開き、下を向くとフェースが閉じます
左手甲を目標に向けたままクラブを振り抜くと、狙った方向に打ち出せます
Q 片手打ちをスムーズに行うにはどうしたらいいですか?
A ヒジを体に着けた状態でクラブを振りましょう
アプローチの片手打ちは初級者だけにメリットがあるわけではありません。上級者にも有効です。調子を崩したときやスイング軌道を確認したいときにぜひ取り入れてみましょう。
打ち方の注意点ですが、右手、左手関係なく、片手打ちでは体とクラブの運動量が等しくなるように心がけます。特に初級者の場合、クラブの運動量が多く、体の運動量が少なくなりがちです。俗に言う手打ちになりやすいので気をつけること。
それを防ぐには仮に右手1本で打つ場合、左手を右腕に当て、右ヒジを体に着けます。そのままクラブを上げて下ろすと体とクラブの運動量が等しくなります。逆に右ヒジが体から離れてしまうと、手打ちになってクラブの運動量だけが増えるので要注意です。左手1本で打つときは右手を左腕に当てて、左ヒジを体に着けたまま打ちましょう。
上級者は右手でクラブを持ち、ハンドファーストに構えたら、左手でスティックの先端をみぞおち辺りに当てて下さい。その状態でクラブを上げるとスティックの向きとクラブの向きが異なり、誤差が生じます。この誤差をキープしたままダウンスイング、フォロースルーを行いましょう。ハンドファーストの形でインパクトを迎えることができるので、ボールとのコンタクトがより正確になります。
クラブとスティックとの誤差がダウンスイング以降でなくなっても大きくなってもミスヒットの原因となるので気をつけましょう。
また、左手1本で打つときは、必ずアドレスの位置に左手を戻すこと。アドレスの位置よりも体に近いとアウトサイドからヘッドが下り、アドレスの位置よりも遠くに下りるとシャンクが出るので要注意です。
パッティングのイメージで、アドレスで左手親指を真下に向けたら、スイング中はずっと真下に向けておきましょう。フェースの向きやロフトが一定になるので、方向性と距離感がアップします。
右手で打つときは左手で右腕を抑えて右ヒジを体に着けたまま振りましょう
左手で打つときは右手で左腕を抑えて左ヒジを体に着けたまま振りましょう
右手でクラブを持ち、左手でスティックをみぞおちに当てます。バックスイングでの誤差をそのキープして打つとハンドファーストインパクトになります
左手親指を下に向けたままスイングすると、フェースの向き、ロフトが変わりにくくなります
撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 取材協力/エースゴルフクラブ千葉 衣装協力/ヤマニ
◆教えてくれたのは
高久あずさプロ/1995年生まれ。福島県出身。164cm。東北福祉大学ゴルフ部在学中は関東女子学生ゴルフ選手権優勝、団体戦全国優勝のメンバーとして貢献。「TPI レベル1」を取得。現在、石井忍プロ主宰の「エースゴルフクラブ」赤坂校、千葉校にてレッスンを行う。
〈髙久プロのウェア〉ポロシャツ¥13,200 スカート¥16,500 バイザー¥3,520(以上 アドミラル ゴルフ/ヤマニ)〈西村さんのウェア〉ポロシャツ¥15,400 スカート¥13,750(トミー ヒルフィガー ゴルフ/ヤマニ)〈笠井さんのウェア〉ポロシャツ¥13,750 スカート¥14,300 キャップ¥4,950(以上 アドミラル ゴルフ/ヤマニ)※グローブ、シューズは私物
ヤマニ ☎03-5806-8055