梅雨が終わればすぐに暑い夏がやってきますが、同時に元気になるのがラフの芝です。ボールがスッポリと埋まったときはもちろん、半分ぐらい程度の埋まりでも芝の抵抗はかなりあります。そんな夏ラフに対抗する意味でも、まずは確実に脱出できる打ち方を身につけましょう。
ハーフショットを覚えるだけで、打てる距離の幅が一気に広がります!
Q:ラフから上手くボールを出すことができません。どう打てばいいですか?
A:ボールの上からヘッドを下ろしてくるように心がけましょう!
これからの時期、芝が元気になってくると、ラフもどんどん長くなり、粘り強くなります。私はそんな夏ラフを“ニラ”と呼んでいますが、このニラが結構やっかいなんですよね。というのも、芝の抵抗が大きいので、下手に打つと手首を痛めてしまうからです。なので、読者の皆さんには、手首を痛めることなく、なおかつグリーンに近づけるための方法を教えちゃいましょう。
正直、ニラ、ではなく夏ラフから手首を痛めることなくボールを出すには、たとえグリーンに届く距離であっても、乗せようとしないことです。ましてや、少し沈んだ状態だと、抵抗が大きくなりつつも、フライヤー気味に飛んでいくこともあります。縦距離の計算が難しくなるので、まずは、確実にラフから出すことを考えましょう。
そのためにも、通常と同じ打ち方はしません。まず、いつもより指1本分ほどクラブを短く持ちます。ボールは半個分内側に入れます。普段がスタンスの真中だったら、それよりも半個分右にくる感じです。両手の位置は左足太モモ内側の前なので、ハンドファーストの形になります。使用クラブは7番アイアン以下でお願いします。間違ってもフェアウェイウッドやユーティリティを持たないこと。なぜなら、ダウンブローに打ちにくいからです。
できるだけ芝の抵抗を小さくしたいので、ボールの手前ではなく、ボールのすぐ後ろにクラブヘッドを下ろします。当然、緩やかな軌道よりも鋭角な軌道の方が、ボールのすぐ後ろにヘッドを下ろせます。極端なダウンブローで打ち、インパクトで終わっても構いません。どちらかといえば、パンチショットに近いイメージですね。これなら、手首への衝撃も小さく、ボールをとらえることができるので、ラフからは確実に脱出できます。
元気な夏ラフにつかまったときは、脱出することを第一に考えましょう
通常よりもボール半個分右に置き、ハンドファーストの形で構えます
できるだけ鋭角にクラブヘッドを下ろしましょう
◆さらにワンランクアップ! どうしてもダフる人は右手首の角度をキープしたままヘッドを下ろしましょう!
ラフからボールを出せない人は、間違いなくボールのかなり手前からヘッドが下りています。当然、ダウンブローの軌道にもなっていません。ボールに達するまでに芝の抵抗を受けまくり、ボールに届いた時には、ヘッドスピードがかなり落ちている状態と思われます。しかも、ダウンブローではないため、ボールの頭を叩くぐらいが精一杯でしょう。
夏ラフのように元気な芝を相手にするには、とにかくハンドファーストとダウンブローの2つを守ることです。中には、ハンドファーストに構えていながら、ダウンブローに打てない人もいると思います。その場合、ポイントになるのは右手首の角度です。右手甲と右腕でできる角度を変えずに、ボールを上から叩くぐらいのイメージでクラブを下ろしましょう。自然にヘッドが上から下りてきます。ダウンスイングの途中からフェース面が下を向いた状態になっているのが正解です。
また、フルスイングする意識は必要ありません。インパクト後は惰性で振り抜いていく感じで十分です。夏ラフはボールを出せればそれで十分だと考え、無理をしないことをお勧めします。
ボールの手前からヘッドが下りてくるとボールに届く前にヘッドスピードが落ちます
スイング中は右手首の角度をキープ!
ボールを上から叩くぐらいのイメージでクラブを下ろしましょう
◆秋山真凜プロフィール
秋山真凜(あきやま まりん)/1996年10月12日生まれ、福岡県出身。158cm。プロ野球「ソフトバンク」前監督で野球解説者の秋山幸二氏の娘。ベストスコア69を記録した中学時代からプロゴルファーを目指し、数々のジュニア大会で好成績をおさめる。TPI Golf Lv.2 Junior Lv.2を取得。現在は、リポーター、スポーツキャスターとして、ゴルフ番組をはじめ多数のメディアに出演。特技は英語、韓国語で、2021年のZOZO CHAMPIONSHIPでは、タイガーウッズ氏のラウンド後のインタビューも担当。『秋山真凜のYouTubeチャンネル』/インスタグラム(@marin_akiyama)
◆取材協力/南総カントリークラブ
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 衣装提供/テーラーメイドゴルフ