とかく初心者やアベレージ120のゴルファーはスロープレーだと思われがちです。確かに打数が多い分、上級者よりは時間がかかるかもしれませんが、ちょっとしたコツで脱スロープレーはできるんです。今回は甲田良美プロにそのコツを伝授してもらいましょう。
◆100ヤードを目安にクラブチェンジ
乗用カートでのセルフプレーで気をつけるのは、カートに対して執着しないことです。初心者の場合、カートに乗らなければいけないと思いがちですが、そんな決まりはありません。もちろん、ホール間は乗るべきですが、いざティオフしたら、自分の状況に応じて乗るか乗らないかを判断しましょう。例えば、ティショットが右サイドに飛び、しかも距離が出なかったとします。カート道路が左にあるならば、あえてカートには乗らずに直接ボールに向かった方が、歩く距離が短いケースもあります。
その際、持っていくクラブはフェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン2本が望ましいでしょう。これならば、次のショットをミスしてもわざわざカートまで戻る必要はありません。そのまま残り100ヤード地点までプレーできるはずです。そこでクラブチェンジです。グリーンまで届くクラブとグリーン周りからのアプローチで使うウェッジ、そしてパターを持ってボールのところに戻ります。
カートに乗った方がいいのは、ティショットでナイスショットしたとき、ボールがカード道路サイドにあるときです。ただし、カートから離れるときは、常にクラブを数本持っていく習慣をつけておきましょう。
どのようなメンバーとラウンドするかにもよりますが、通常はある程度の経験者や100を切るぐらいの人がカートを運転したり、自動走行のリモコンを身につけるはずです。初心者や120ぐらいの人は、カートの運転を気にせず、自分のボールに集中しましょう。
ティショットを打ったら、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン2本を持ってボールのところへ行きましょう
状況によってはカートに乗らない方が楽なこともあります
遅れそうなときは走りましょう
◆クラブをグリーン奥へ置きに行く際にラインを確認
ボールがグリーンに乗っても油断してはいけません。よくありがちなのが、グリーン手前からアプローチした後、そのままパター以外のクラブを置いてくることです。これだと、ホールアウト後に、一度グリーン手前まで戻らなければならず、後続の組を待たせることになります。
ピンに対してアプローチしたら、素早くボールをマークし、クラブを取りにいくのが正解です。クラブを置く場所は次のホールへ向かうグリーン奥です。たまにグリーン手前から次のホールへ向かうこともありますが、基本的には奥になります。目安としては、停止しているカートです。カートがあるサイドのグリーン奥にクラブを置きましょう。
単にクラブを置くだけではなく、自分のボールからピンまでどれぐらいの距離があるのか歩測したり、どのような傾斜なのかもチェックしておきましょう。もちろん、クラブを置いて、ボールのところへ戻ってくるときも傾斜とラインを確認します。たったそれだけの行為でも、自分の順番が来たときにスムーズにストロークに移ることができます。
あまりウロウロするべきではありませんが、プライベートのラウンドなら同伴競技者が打つ瞬間だけ止まっていれば問題ないでしょう。
自分のパッティングが同伴競技者よりも先に終わったら、同伴競技者のクラブをグリーン奥まで移動させたり、拾い上げておくと、さらなる時短につながります。プレーに余裕が出てきたら、自分のことだけでなく組全体に気を回すと、一気にプレー時間は短縮できます。脱スロープレーを目指しましょう。
グリーン手前からアプローチしたら、そのままクラブを忘れがちなので要注意
クラブを拾い上げたら、グリーン奥へ運びますが、その際に歩測や傾斜を確認しておきましょう
クラブを置く場所は次ホールに近いグリーン奥か、カート寄りのグリーン奥です
◆教えてくれたのは…甲田 良美プロ
こうだ・よしみ/栃木県出身。現在フリー。1983年生まれ。18歳から競技をはじめ、2009年にプロテスト合格。2009年に下部ツアー「LIONレディースカップ」で優勝し、2010年「リゾートトラストレディス」でツアー初勝利をあげる。
撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 取材協力/長太郎カントリークラブ【PGM】