アベレージゴルファーの悩みに、ドライバーショットでのスライスがあります。せっかくのいい当たりでも、ボールが大きく右へ曲がっては意味がありません。森山錬プロによれば、スライスの原因は「振り遅れ」にあるそう。その振り遅れを防ぐための方法として、「左足を1歩前に出して素振り」を教えてもらいました!
【シャンク防止の秘策】クラブヘッドの“トウ”で人の背中をかけますか?【SNSで話題の“右手先生”森山錬が教える!】
◆最初に右手1本での素振りを
女性ゴルファーに限らず、ドライバーショットでスライスが出る人の原因は振り遅れにあります。原因の95パーセントを占めると言ってもいいぐらいです。つまり、振り遅れさえしなければ、スライスのミスは解決できるわけです。
ところで、振り遅れとはどのようなことを言うのでしょうか。正しいスイングでは、ダウンスイングからインパクト、フォローにかけてクラブヘッドが手元を追い越します。その際、クラブフェースは閉じるように設計されているので、左に曲がるドローボールが出ます。
ただ、ダウンスイングからインパクトにかけて体全体が目標方向へ突っ込んだり、体が回り過ぎてしまうと、ヘッドが手元を追い越すことができず、フェースも開いたままインパクトを迎えます。さらにボールに右回転が加わるのでスライスが出てしまいます。
まずは、目標方向へ体が突っ込む動きと体の回り過ぎを防ぎましょう。おすすめなのは、左足を前に出し、右足を後ろに引いた形での素振りです。体が目標方向へ突っ込みにくくなり、体の開きも抑えられます。最初は右手1本でクラブを振り、フェースが閉じる感覚を理解しましょう。その後でクラブを両手で持ち、10回ほど素振りを行います。
その後、スタンスを通常に戻してボールを打ちますが、素振りのときと同じ感覚でクラブを振りましょう。
左足を前に出したら、最初に右手1本で素振りを行います。フェースが閉じる感覚をつかみましょう
次に両手でクラブを握って10回ほど素振りを行いましょう
◆フェースの開閉を手の中で感じるクルクルドリル
スライスを打つ人の中には、ボールを右に打ち出し、そこから右に大きく曲げてしまう人もいるでしょう。そういう人におすすめのドリルを紹介します。
まず、ヘッドを胸の高さまで上げます。その状態からフェースを少し閉じてみましょう。あとは、そのまま横振りでも縦振りでもいいので素振りを数回行います。次に、フェースを開いた状態で素振りを数回行いましょう。フェースを閉じた時と開いた時の違いを感じることができればOKです。
最後に目をつぶり、手の中でクラブをクルクルと回します。フェースが開いているのか、閉じているのか分からない状態で素振りを繰り返しましょう。先ほどの素振りで違いが分かった人は、フェースがどのような状態になっているのか理解できるはずです。
手の感覚として、フェースが開いているのか、閉じているのかが分かれば、ボールを右に打ち出して右に曲げるような打球を放ったときに、フェースが開いたままインパクトを迎えていたなと分かります。あとは、自分でそうならないように、フェースを閉じたときの素振りを思い出しながらボールを打つと、右に打ち出してからのスライスを防げるようになります。
最初にフェースを閉じた状態で素振りを行います
次にフェースを開いた状態で素振りを行いましょう
◆教えてくれたのは…森山 錬プロ
モリヤマ レン/1996年生まれ。173cm。レッスンは3カ月先まで埋まっている大人気プロ。55m/s以上のヘッドスピードから平均飛距離300yd以上のドライバーショットを放つ。「イーストゴルフスクール五反田店」「学芸大ゴルフスタジオ」にて活動中で、7月より世田谷区に「Futako Golf Club」をオープン予定。Instagram(@rengolf_54)で配信中の動画も大きな話題を呼んでいる。著書に「ゴルフは右手の使い方だけ覚えれば上手くなる(日本文芸社)」。公式ラインアカウント(lin.ee/dy4adIq)
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希