“体をしっかり回転させる”は間違い? 胸・腰・ヒザを正面に向けたままのスイングでOK!?

「バックスイングでは体をしっかり回転させるように」とアドバイスされた経験がある女性ゴルファーは多いのではないでしょうか。その結果、必要以上に体を回してしまい、それが原因でボールを上手くヒットできない方が少なくありません。実は、スイング中は胸、腰、ヒザを正面に向けたままでいいんです。

教えてくれたのは:りたまるゴルフコーチ/1996年生れ、東京都出身。160cm。LPGAティーチングプロA級。三觜喜一プロのもとレッスン経験を積み独立。華奢な体格から生み出されるパワフルなショットにはギャップ萌え必須。わかりやすくロジカルなレッスンに信頼を置く生徒が多数。現在はフリーでゴルフレッスンを行いながら、各種メディアにも登場。Instagram(@ritamaru_golf)

◆大切なのは「体を回すこと」ではなく「捻転差」

①バックスイングで体をこれでもかと右に回し、フォロースルーでも体をしっかりと左に回すスイング
②アドレスからフィニッシュまで胸、腰、ヒザをできるだけ正面に向けたままのスイング

皆さんが意識しているのは、どちらのイメージですか?

①バックスイングとフォロースルーで思い切り体を回すスイング
②アドレスからフィニッシュまでできるだけ胸、腰、ヒザを正面に向けようとしたスイング

女性ゴルファーはいろんな人から体を回転させるように言われてきたこともあり、必要以上にバックスイングで体を回そうとします。その結果、右ヒザが伸び、左ヒザが内側に入ったトップの形になりがちです。これでは下半身と上体の捻転差が生まれないので、パワーもたまらず、飛距離も伸びません。

しかも、体が回り過ぎたトップからクラブを下ろすと、振り遅れやフェースの開きが生まれ、ボールを真っ直ぐ飛ばすことが難しくなります。

トップで右ヒザが伸び、左ヒザが内側に入るのはNG

あくまでも体が回るのは結果であり、目的ではないことを理解しましょう。大切なのは捻れではなく、上と下の捻転差です。
したがって、②のアドレスからフィニッシュまで胸、腰、ヒザを正面に向けたスイングが正解となります。

胸、腰、ヒザを正面に向けるイメージでクラブを上げても、胸は十分回っている

実際はトップで胸は回っていますが、腰はそれほど回らず、ヒザはほぼ正面を向いています。この形をつくるには、あくまでも胸、腰、ヒザを正面に向けておくイメージが必要となります。

できれば、胸、腰、ヒザを正面に向けたままクラブを振り抜き、シャフトが背中に触れたら胸を目標に向ける2段階スイングをしてほしいところですが、そのまま胸を正面に向けたままでもOKです。

◆実は「手打ちスイングでOK」なんです

胸、肩、ヒザを正面に向けたままスイングする際は、手打ちで構いません。手打ちといっても、手首を使ってクラブを振ることではありません。私が伝えたい手打ちとは、腕を振ることです。

ゴルフクラブは腕の先にあります。腕を動かさなければ、クラブは動きません。どんなに体を一生懸命に動かしても、クラブは体の動きについてこないことを理解しましょう。自分が正面を向いて、下半身を踏ん張った状態で腕を大きく振ってこそ、クラブは初めて動きます。

手首を使ってクラブを振る手打ちはNG
腕を大きく振ることでクラブは動く

スイングでも同じことが言えるので、まずは積極的に腕を振るように心がけましょう。

◆試してみよう! 胸の高さにある仮想ボールをヒットするには?

試しに、胸の高さにボールがあると思い、クラブを振ってみましょう。体を大きく動かしすぎてしまう人は、クラブヘッドが仮想のボールの位置に戻る確率は低いはずです。体を正面に向けたまま、腕だけを振った方がヘッドは仮想のボールの位置に戻りますよね。

体を正面に向け腕を大きく振ると、仮想ボールの位置に正しくヘッドが戻る
体を大きく動かしてしまうと、ヘッドは仮想のボールのところに戻らない

撮影/山代厚男 取材・文/山西英希 取材協力/Golvi Golf Lounge Ginza

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