世界の最新理論に精通する吉田洋一郎コーチが言うには、パターのカップイン率が最も高くなるボールの速さは『43cmオーバー』だそうです。フィル・ミケルソンやミシェル・ウィーなど多くのプロを指導したパターコーチ、デーブ・ペルツ氏の実験結果に基づいているそうですが、果たして、私たちにそんな高度なワザができるのでしょうか? 「カップに入るか入らないかは日ごろの練習次第」という吉田コーチから、「43cmオーバー」の距離感をつかむ練習法を教えてもらいました。
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43cmオーバーで止める練習
43cmオーバーの位置に目標物を置き、カップを越えて止める練習をしてみましょう。仲間と一緒に“止められたらシャンパン1杯飲める”なんてゲーム感覚でやると楽しみながら上達できそうですね! ちなみにカップに届く距離、いわゆるジャストタッチは、カップに近づくと失速するため芝や傾斜の影響を受けやすく、確率は激減するので、ころがる速度の変化をイメージしながら43cm先の目標物目指してひたすら練習してみましょう。
距離感はヨコの切れではなくタテの傾斜を見る
多くの人は、「カップ1個分右」など、ヨコの曲がりばかり気にしますが、いざ打ってみると大ショートしたり大オーバーだったり。肝心なのは、曲がり幅よりタテのラインをいかにしっかり打てるか。曲がりを考えるのはそのあとです。
ボールを見ないで打つ練習
ときにはボールを見ないで打つ練習をしてみましょう。顔をカップに向け、ストロークの中でヒットします。インパクトを意識しないので、スムーズなストロークになり、距離感を養えます。
カップを見るといっても、頭を上げてのぞき込んではダメ。あくまでもアドレスは基本のカタチ。
ミドルパットはカップを狙わず1m以内に寄せる
2mを超えるパット は、ツアープロでも入る確率は60%。アベレージ90の人なら34%です。無理に入れようとせず、1m 以内に寄せることを考えるのが大オーバー、大ショートを防ぐコツです。
超ロングパットはスタンスを狭めて速度を速める
パットの距離感は振り幅で調整しますが、超ロングパットとなれば別。振り幅を大きくすると軌道やフェースがズレてしまいます。小さな振り幅でリズムを速めてスピードアップすることで、正確性をキープできます。
指導/吉田洋一郎(ひろいちろう)
1978年生まれ。ゴルフスイング・コンサルタント。世界No. 1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏をはじめ、欧米の一流ゴルフインストラクター80人に直接指導を受けメソッドを学ぶ。欧米のゴルフティーチングに関する資格20以上を取得。『シングルになれるパット術 ロジカル・パッティング』(実業之日本社刊)ほか、著書多数。パシフィックリアライズ代表。
Regina冬号 P122~P123 の記事より抜粋
撮影/田中宏幸 取材&文/たかはしよし子 撮影協力/取手桜が丘ゴルフクラブ