『ゴルフ上達関節調律師』として活躍する山本優子氏。聞き慣れない人もいると思いますが、ゴルフのスコアを上げるために必要な体の使い方を研究し、指導する専門家のことを言います。
もっと分かりやすく言うなら、ゴルフが上手くなる体の使い方を教えてくれる先生です。しかも、ボールを打つ必要はありません。日常生活やラウンドのスタート前に正しい動かし方を行うだけで、飛距離が15ヤードアップするし、スコアも伸びてしまうんです。まずは実際に体を動かしてみましょう!
第10回は『頚椎くるくる・立位バージョン』についてです。
前回の記事:山本優子先生のボールを打たずに15ヤードアップ! 腕を長くして大きなスイングで飛ばそう
合わせて読みたい:【飛ばしたいなら今日からやろう】飛距離アップドリル&ストレッチ【河本結プロが女性ゴルファーに教えてくれる】
◆自分が考える体の中心と実際の中心との誤差を無くそう
以前に紹介した『頚椎くるくる』を覚えていますか? 仰向けになった状態で首を左右に回す運動です。リング状になった第1頚椎の中を第2頚椎の突起物が通過してくるくる回ることで、背骨全体がスムーズに動くようになるというお話でした。
今回はその『頚椎くるくる』を立って行うバージョンです。まず、鏡の前に正対した状態で立ちましょう。目をつぶって首を左右に回します。やはり第1頚椎と第2頚椎が触れることなく、リングの中を突起物がくるくると回っていることをイメージしながら行います。このときの注意点として、歯を噛みしめないことです。余計な力が入り、スムーズに回旋動作を行えません。どうしても噛みしめてしまう人は、口を1ミリぐらい開けた状態で行いましょう。
数回左右に首を回したら、自分が正面を向いていると思ったところでパッと目を開けてください。その際、顔が鏡に対して正対していればオーケーです。もしも右や左を向いているようでしたら、あなたが考えている体の中心と実際の中心には誤差があると判断しましょう。この動作を何回か繰り返し、正面を向くまで続け、その誤差を修正することが大切です。
鏡に対して体を正対し、目をつぶった状態で首を左右に回します
自分が正面を向いていると思ったところで止まります
顔が正面を向いていれば、あなたが考える体の中心と実際の中心に誤差はありません
歯を噛みしめて行なうとスムーズな回旋運動ができないので気をつけましょう
◆スタート前に行うと飛距離と方向性がアップ!
自分がイメージした体の中心と実際の中心に誤差があると、どのような弊害が生じると思いますか? 最も顕著なのは、アドレスです。中心軸がずれているため、自分では目標に対してスクエアに構えているつもりでも、現実には目標の右や左を向いて構えています。当然、そのままスイングを行うとアウトサイドインやインサイドアウトの軌道になり、スライスやフックが出てしまいますよね。ボールが真っ直ぐ飛ばない分、飛距離をロスすることにつながるわけです。
ボールと目標を結んだターゲットラインに対して体のラインをスクエアに合わせることができれば、それだけボールを真っすぐ飛ばせる確率が高くなり、その分飛距離を稼げます。ラウンド前に鏡を見つけて、この『頚椎くるくる・立位バージョン』を行ってみましょう。飛距離と方向性のアップに必ず役立ちます。
ターゲットラインに対してスクエアに構えることができると、ボールが曲がりにくい分、飛距離も伸びます
取材・文/山西英希 撮影/鈴木祥 取材協力/井山ゴルフ練習場
◆教えてくれたのは…
山本優子 やまもと・ゆうこ/1992年生まれ。柔道整復師。体の改善を行う独自の治療技術「脱力関節調律」メゾットを開発。その技法を用いてゴルフに特化した「ゴルフ関節調律」メゾットも確立。年間の指導実績は1000件以上で、平均15ヤードの飛距離アップに成功。東京・恵比寿のサロン「naturaca」代表。(一社)日本脱力調律協会代表理事。著書に『目かくしゴルフ』がある。