距離のあるバンカーはアプローチウェッジで打とう!【松下奈央流・飛距離アップ術】

グリーン周りのバンカーといっても、ボールやピンの位置次第では、いろんなシチュエーションが生まれます。時にはピンまで30ヤード以上離れることもあるでしょう。松下奈央プロによれば、その場合はサンドウェッジでフルショットするよりも、もっと簡単に距離を出せる方法があるそうです。早速教えてもらいましょう。

松下奈央プロ

寒い冬こそ飛ばしに必要なパワーアップに励もう!【松下奈央流・飛距離アップ術】

◆スイングスピードを減速しない!

私が持っているウェッジは54度と60度です。一般的には54度がアプローチウェッジ、60度がサンドウェッジになります。ボールから目標まで30ヤードぐらいあるバンカーでは、60度ではなく、54度を使用します。なぜなら、通常のバンカーショットを行うだけで30ヤードの距離を打てるからです。

打ち方ですが、まず、目標に対してクラブフェースをスクエアにセットします。それからフェース面が上を向くように少しフェースを開きましょう。肩、腰、スタンスのラインは、ボールと目標を結んだラインに対して少しオープンになります。ボールの位置は、正面から見ると左足カカトの前になりますが、自分から見るとスタンスの真ん中です。

体重配分は右足に6割、左足に4割です。その分、体の軸を少し右に傾けます。トップまでクラブを上げたら、ボールの手前にクラブヘッドを下ろすだけです。フィニッシュまでスイングスピードを減速しないことがこのショットを成功するコツです。

私は距離があるバンカーショットでは54度のウェッジを使います。それだけで距離を稼げるんですよ

クラブフェースを目標に向けた後、フェース面が上を向くように少しフェースを開きます

体重配分は右足に6割、左足に4割です

ダウンスイングでスイングスピードを減速せずに振り抜きましょう

◆インパクトでスイングを終了しないこと

大きなバックスイングをしているにもかかわらず、距離が出ないと悩んでいる人もいると思います。女性だから単にパワーがないだけだと思うかもしれませんが、大きな間違いです。正しい打ち方をしていれば、パワーに関係なく距離を出せます。

念のため、バンカーショットでNGな動作をいくつか挙げておきますね。まず、アドレスですが、目標があってもフェースは開きましょう。アプローチウェッジを使えば、フェースを開いても距離は出ます。次に、バックスイングでは手首のコックをあまり使わないこと。手打ちになると距離が出ないので、体の回転でクラブを上げるようにします。また、インパクトでスイングを終える人が多く見られます。ヘッドを砂にぶつける意識が強いのは分かりますが、ヘッドを砂の中入れるのが正解ではありません。フィニッシュまでしっかり振り抜くからこそ、砂と一緒にボールを出せると考えましょう。インパクトでスイングを終えると、距離が出ないことをお忘れなく。

手首のコックを使わず、体の回転でクラブを上げましょう

インパクトでスイングを終了しないこと

フィニッシュまでしっかりとクラブを振り抜きましょう

◆教えてくれたのは…松下 奈央プロ

まつした・なお/東京都出身。1998年8月29日生まれ。現在フリー。JLPGAティーチングプロフェッショナル資格 A級保持者。ステップアップツアーでも活躍するなか、アマチュアにも指導を行う。メディアも多数登場するなど、活躍の幅を広げている(Instagram @nao_matsushita829)

撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/南総カントリークラブ

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