ベテランゴルファーや上級者には当たり前のことでも、ビギナーや100切りを目指す女性ゴルファーには難しかったり、疑問に感じたりします。だれに聞けばいいのか迷うところですが、そんなあなたのために、カリスマレッスンプロの木原睦美さんがお答えします!
最終回の質問は、スタート前にどのようなパッティング練習をしておくべきかについてです。木原プロによれば、平らなラインだけでなく、極端な上り傾斜と下り傾斜を練習することが実践的だと言います。その際、距離感をつかむことを第一に考えると、3パットの回数を抑えられます!
バックナンバーをチェック!「あなたの悩みに答えます!予約殺到のレッスンプロ・木原睦美のQ&A」
【質問】スタート前、練習グリーンでの効果的な練習法を教えて!
パッティングが苦手ですが、どのように練習していいのか分かりません。スタート前に練習グリーンでお勧めの練習法があれば教えて下さい。
(読者モデル 河合千晶)
【回答】あえて極端な上りと下りのラインを探し、振り幅とストロークのスピードを変えて打ってみましょう。
◆視覚に惑わされずに打てるかどうかでパット数が決まる
スタート前の練習グリーンでボールを転がす人は多いと思いますが、私が見る限り、きちんと目標を持って練習している人は少ないかもしれません。と言うのも、単にカップにボールを入れることを目的としているからです。もちろん、自分で決めた距離からしっかりとカップインさせる練習は大切ですが、より実践的な練習も取り入れてみましょう。
実際のコースでは、必ずしも平らなラインばかりとは限りません。フックやスライス、上りや下りといったラインを打つことのほうが多いと思います。
ここで問題なのは、極端な上りと下りのラインです。例えば、5ヤードの上りラインがあったとしましょう。この場合、5ヤードの距離感で打つと必ずショートします。8~10ヤードの距離を打ってようやくカップに届くぐらいです。ところが、見た目ではあくまでも5ヤードしかないだけに、なかなか8~10ヤードの距離感で打つことができません。それをあらかじめ練習グリーンで行っておけば、いざ本番で同じ状況を迎えても対応できると思います。
同じように、極端な下りの5ヤードでは、2ヤードを打つ距離感が必要です。これも視覚からついつい5ヤードの距離感で打ち、カップを大オーバーしがちです、やはり、あらかじめ練習しておくべきでしょう。
上りのラインでは、平地と同じ距離感で打つとカップを必ずショートします。視覚に惑わされずに強めに打つことが大切です
下りのラインでも平地と同じ距離感で打つとカップをオ―バーします。やはり視覚に惑わされないように、弱めに打ちましょう
◆ストロークのテンポをゆっくりと行いましょう
視覚に惑わされないように打てと言われてもなかなか実行できない人も多いと思います。上りの5ヤードを10ヤードの振り幅で打つと決めたら、フェースを目標に対して合わせた後は、カップを見ないことです。頭の中で10ヤードを打つことに集中し、それに合わせた振り幅でストロークしましょう。
ただし、下りのラインでは打ち方が異なります。5ヤードの距離を2ヤードの距離感で打つからといって、振り幅を小さくすることはお勧めしません。なぜなら、インパクトでボールを強く打つパンチが入ってしまい、カップを大きくオーバーするからです。この場合、振り幅はあえて5ヤードを打つときのままで、ストロークのテンポをゆっくり目にしましょう。
「いや、振り幅を小さくしたほうが距離感を合わせやすい」と言う人はそれでも構いません。要は、自分にとってやりやすい方を選択することです。そのためにも、スタート前の練習では極端な上りと下りのラインを見つけて練習するのがいいでしょう。
上りのラインでは、フェースを合わせた後にカップを見ず、実際に打つ距離感の振り幅に集中しましょう
写真⑥ 1935
下りのラインでは、あえて振り幅を変えずに、見た目の距離に合わせた振り幅で打ちます。ただし、ストロークのテンポをゆっくり目にすること
◆教えてくれたのは、木原睦美プロ
広島県を拠点に全国を飛び回る人気のティーチングプロ。生徒からは「むっちゃん」の愛称で親しまれ、毎週150人以上を指導。
YouTube「木原睦美のHappyゴルフ」で、独自のゴルフ理論を展開中。公式LINEアカウントも開設!
取材・文/山西英希 撮影/山代厚男 撮影協力/PGMゴルフアカデミー銀座