上げようとしてトップ、クラブ選びでミス……夏ラフの落とし穴! 

照りつける日差し、生い茂るラフ、スイングするたび奪われる体力…。夏ゴルフには女性が陥る落とし穴がいっぱい。もっとラクにプレーしてスコアアップするためのテクニックを、人気プロ・木原睦美さんが伝授します!

夏のラフでありがちミス
1.クラブ選びが間違っている
2.上げようとしてトップする
3.ラフを前にリキんでスイング

◆冷静にライを見極め力を抜いて打とう

夏ラフはたとえ短くても元気で粘り気があるため要注意です。上手く脱出できない原因は3つ。ロフトが小さいクラブを選択していること、ボールを無理に上げようとすること、力ずくで出そうとすることです。大切なのは正しいクラブ選択をし、そのクラブのロフトを信じてしっかりと振り抜くこと。あとはボールがどれだけ芝に沈んでいるのかを見極めることができれば、夏ラフは怖くありません。

1.残りの距離で番手を選んでしまった

【対処法】→ボールの沈み具合でクラブ選びを

ラフから打つ場合、グリーンまでの残りの距離ではなくラフにどれぐらい沈んでいるかでクラブを選びましょう、ボールが芝の上に浮いていれば、フェアウェイウッドでも打てますが、半分沈んでいるときにウッドの使用は禁物。さらにボールが半分以上沈んでいるときはウェッジ限定になります。確実にラフから脱出することを優先しましょう。

番手の選び方

(左から)FWでも打てる!   慎重にアイアンで   ウェッジ限定!

2.上げようとしてトップする

【対処法】→打つ前にココで止めるのおまじないを

ボールを上げようと意識すると、リーディングエッジがボールに当たってトップが出ます。ボールを上げる意識を捨て、あらかじめフォローの位置を決めること。肩から肩まで振ったときの距離を出したいなら、左腰の高さでヘッドを止めるイメージです。結果的に左肩の高さまで上がるので距離感は合います。クラブがボールを上げてくれると信じ、“左腰の高さでスイングを止める!”と決めてからアドレスに入りましょう。

◆ここで止める!

最初にフィニッシュでのヘッドの位置を決めてアドレスに入り、イチ、ニッ、サンのリズムでスイングします。ラフだからといってボールを上げにいったり、振り幅を大きくしないことが成功の秘訣!

ここで止めるのおまじない!

3.ラフを前にリキんでスイング

【対処法】→脱力していつもの力加減に

ラフでミスショットするのは、難しいと思い込み、緊張して体が氷のようにカチカチな状態でアドレスするからです。ぎこちないスイングのままボールを打つとインパクトがずれてミスに。まずは、目一杯の力を腕に入れてみましょう。その後、緩めればフッと力が抜けて構えられます。もしくは、口を開けて顔の力を抜いてみましょう。

対処法① 顔の力を思い切り抜くとリラックスして構えられます。口だけでなく上と下の歯も開いておくとGOOD。ユルい表情でボールを打つのがポイントです

フニャッっと脱力して

対処法②アドレスに入る前に、これ以上入らない! というぐらいギューッと腕に力を込めて。疲れて力を入れるのを止めると、一気に脱力できるので、その力感でスイングしましょう。

わざとリキむ

◆練習場でもできる!夏ラフ脱出ドリル

練習場にある人工芝の上でも、ラフからのショットは練習できます。ポイントはいかに脱力してクラブを握れるかです。

【1】“太ユル〜”グリップドリル

グリップにタオルを巻いて
脱力して打つ

グリップにタオルをぐるぐると巻きます。普通にグリップできないぐらい太く巻きましょう。あとは適当に握れば脱力したまま打てます。

【2】合掌ドリル

合掌ドリル

指を反らし、クラブを手ではさみます。お腹に力を入れ、クラブをゆっくり左右に動かしましょう。手打ちが防げるように。

木原睦美プロ…USLPGAティーチングプロ。広島を拠点に活動し、技術・マナー・メンタルに至るまでのトータルゴルフレッスンを実施。生徒一人ひとりのゴルフ人生を豊かにするための指導を行っている。YouTube「木原睦美のHappyゴルフ」でも、独自のゴルフ理論を展開中。

Regina2021年初夏号掲載 撮影/福田文平  取材&文/山西英希 撮影協力/南総カントリークラブ

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