『ゴルフ上達関節調律師』として活躍する山本優子氏。聞き慣れない人もいると思いますが、ゴルフのスコアを上げるために必要な体の使い方を研究し、指導する専門家のことを言います。もっと分かりやすく言うなら、ゴルフが上手くなる体の使い方を教えてくれる先生です。しかも、ボールを打つ必要はありません。日常生活やラウンドのスタート前に正しい動かし方を行うだけで、飛距離が15ヤードアップするし、スコアも伸びてしまうんです。まずは実際に体を動かしてみましょう! 第8回は『肩上げてストン』についてです。
前回の記事:山本優子先生のボールを打たずに15ヤードアップ! 可動域を広げてヘッドスピードを上げる
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◆腕と肩のリラックスが飛距離アップにつながる
これまでのレッスンで体幹をスムーズに回旋させることが飛距離アップにつながるとご理解頂けたと思います。とはいえ、そう簡単には体幹を回旋できないかもしれませんが、ちょっとしたことでスムーズに回旋できたりします。例えば、脱力することです。
ボールを遠くへ飛ばしたいと思えば思うほど、アドレスした際、必要以上に腕や肩に力が入ります。その状態でクラブを振ってもヘッドスピードは上がらず、飛距離を稼げません。
アドレスではリラックスした状態をつくることが大切です。それが体幹をスムーズに回旋する第一歩だと考えましょう。とはいえ、この脱力というのが意外にも難しいんですよね。しかも、自分が力んでいることに気づいていない人が少なくありません。試しに腕を肩の高さまで上げて、ストンと力を抜いてみましょう。重力に任せて腕が落ちてくるようであれば脱力しています。腕が上がったままだったり、途中で止まる人は脱力できていないと判断しましょう。
脱力できていない人にお勧めなのが、『肩上げてストン』というエクササイズです。
アドレスしたときに肩や腕に力が入っているとスムーズに体幹を回旋できません。飛ばしたいときほど脱力してリラックスした状態をつくりましょう
◆肩に最大限の力を入れてからストンと落とす
まずは限界まで肩に力を入れてみましょう。自然と耳に近づくように肩が上がってくるはずです。3~5秒ほど肩を上げた状態をキープします。そこから脱力して肩をストンと落としてみましょう。これを5回ほど繰り返します。すると、肩の回りが脱力していることに気がつくでしょう。あとはその状態をキープしたままアドレスするだけです。
力が入ったときのスイングと脱力したときのスイングがいかに違うのかを知りたければ、最初に素振りを行い、ドリルを行った後、もう一度素振りをしてみます。後に振ったほうがビュンとヘッドが走る感覚を理解できると思います。
フェアウェイが狭いホールやOBゾーンが左右にあると、飛ばそうと思わなくても力が入ります。そういうときほどこのエクササイズを行いましょう。もちろん、ドラコンホールでもアドレスに入る前に行って下さい。
肩が耳に近づくぐらいまで力を入れましょう
その状態から肩をストンと落とします
クラブを持たずにシャドウスイングするだけで、肩の力が抜けていることに気がつきます
取材・文/山西英希 撮影/鈴木祥 取材協力/井山ゴルフ練習場
◆教えてくれたのは…
山本優子 やまもと・ゆうこ/1992年生まれ。柔道整復師。体の改善を行う独自の治療技術「脱力関節調律」メゾットを開発。その技法を用いてゴルフに特化した「ゴルフ関節調律」メゾットも確立。年間の指導実績は1000件以上で、平均15ヤードの飛距離アップに成功。東京・恵比寿のサロン「naturaca」代表。(一社)日本脱力調律協会代表理事。著書に『目かくしゴルフ』がある。