ベテランゴルファーや上級者には当たり前のことでも、ビギナーや100切りを目指すゴルファーには難しかったり、疑問に感じたりします。だれに聞けばいいのか迷うところですが、そんなあなたのために、ゴルフカリスマレッスンプロの木原睦美さんがお答えします! 今回の質問はお尻を回すヒップターンのやり方についてです。
【質問】ヒップターンのコツは?
先日、一緒にラウンドした方からヒップターンができていないと指摘されました。
なんとなくお尻を回すイメージなんですが上手くいきません。コツを教えて下さい。(読者モデル 渡辺千歩さん)
【回答】腹筋に力を入れてアドレスしてみましょう!
お尻の筋肉はゴルフスイングの中で“王様”と呼ばれているぐらい強く、大きなエネルギーを生み出すのが特徴です。したがって、お尻を上手く使うことができれば、必ず飛距離アップにつながります。しかも、小手先を使ってクラブを振らないので、真っすぐ飛ぶ確率も高いんですよ。逆に言えば、ヒップターンができていないスイングだと、インパクトゾーンで腕だけを返す打ち方になり、左へ引っかけることが多くなります。
ヒップターンができない人の理由はいくつかあると思います。①股関節が硬くて回す動きができていないこと、②お尻の筋肉がないこと、③腹筋を使えていないことです。
私の中では③に当てはまる人が多いと思います。なぜなら、腹筋を使えないとお尻を動かすことができないからです。そこで、あなたが腹筋を使えているかどうかチェックしてみましょう。
まず、アドレスの前傾姿勢をつくります。その形を崩さないままクラブを背中に当てて下さい。背中とお尻にはクラブが当たっているものの、腰の上あたりに隙間ができている人は、腹筋を使えていません。背中からお尻までほぼ全体がクラブに接している人は腹筋を使えています。
ヒップターンができていない人は手だけでクラブを操作しがち。フェースが返りすぎて左への引っかけが多く出ます
前傾姿勢を崩さずにクラブを背中に当ててみましょう。腰の上に隙間ができる人は腹筋を使えていません
背中からお尻まで全体的にクラブが接している人は腹筋を上手く使えていると判断して下さい
◆腹筋に力を入れる正しい方法は?
それでは、腰の上に隙間ができる人は、どうすればその隙間を埋めることができるのでしょうか。答えは腹筋に力を入れることです。クラブとの隙間ができる人は腰が反った状態になっているからです。腹筋に力を入れることで、腰をクラブに着けて下さい。このとき、腹筋が震えてしまう人、いくら力を入れてもクラブに着かない人は腹筋に力を入れる方法が間違っています。腹筋に力を入れる正しい方法を身につけるためにも、次のドリルを実践してみましょう。
最初に両足のツマ先を90度に開いて直立した姿勢をつくります。両ヒザを曲げながらヒザを外側に向け、お尻の位置を下げましょう。その状態から恥骨を前に出しながら、左右の太モモをくっつけます。同時に左右のお尻の筋肉もくっつけるイメージです。再び直立すると、腹筋に力が入っていることが分かります。
腹筋に力を入れたまま、アドレスの形を作り、背中にクラブを当ててみましょう。腰の上にあった隙間が消えているはずです。あとは、実際にクラブを振ってみると、ダウンスイングからフォロースルーにかけて、自然とお尻を回すことができます。
両足のツマ先を90度に開き、直立した姿勢をつくります
両ヒザを曲げながらヒザを外側に向けつつ、お尻の位置を下げます
恥骨を前に出します
太モモの内側とお尻の筋肉をくっつけながら直立した姿勢に戻ります
腹筋に力を入れておくと、ヒップターンが使えるようになります
◆教えてくれたのは、木原睦美プロ
広島県を拠点に全国を飛び回る人気のティーチングプロ。生徒からは「むっちゃん」の愛称で親しまれ、毎週150人以上を指導。
YouTube「木原睦美のHappyゴルフ」で、独自のゴルフ理論を展開中。公式LINEアカウントも開設!
取材・文/山西英希 撮影/山代厚男 撮影協力/PGMゴルフアカデミー銀座