ベテランゴルファーや上級者には当たり前のことでも、ビギナーや100切りを目指すゴルファーには難しかったり、疑問に感じたりします。だれに聞けばいいのか迷うところですが、そんなあなたのために、ゴルフカリスマレッスンプロの木原睦美さんがお答えします!
今回の質問はスイングに問題がないものの、スライスなどのミスが出る人は、どのような対策をとればいいかという内容です。キーワードは目線です。ボールのどこを見るかでショットの成否が決まります。
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【質問】スイングは褒められるのにミスショット連発…原因がわかりません。
友人には「きれいなスイングをしているね」と言われるのに、いざコースへ行くと、スライスなどのミスショットがけっこうな確率で出ます。一体何が原因なのでしょうか?(匿名希望 女性ゴルファー 40代)
【回答】気持ちがボール以外のところにあるかも。目を見開いてボールを2秒間見る→4秒かけてフィニッシュまで振り切ろう!
◆両手が左腰の高さに上がるまでは下を向きましょう
スイングがいいのにミスショットが出る人は、ボールに対して意識が集中していないからだと思います。
これは、初心者やアベレージゴルファーよりも少し上手な人に見られる傾向です。と言うのも、ある程度の経験を積み、スコアを出せるようになるといろいろなことが気になるからです。プレーの進行が遅いんじゃないか、少し急いだほうがいいかなとか、同伴プレーヤーはゴルフを楽しんでいるだろうかとか、気を遣ったりします。
その結果、打ち急いだり、必要以上に目線が動いてしまうのです。インパクトの前に目標を見ることで体の開きが早くなり、クラブフェースも開いた状態でインパクトを迎えます。スライスが多く出るのもそれが原因でしょう。
修正ポイントとしては、まずボールをしっかりと見ることです。
アドレスに入ったら、あえて目を見開いた状態でボールを2秒間見ます。それからテークバックに移りますが、打ち急ぎを防ぐために、アドレスからフィニッシュまで4秒かけて打ちましょう。イチ、ニッ、サン、シッと数えながらでも構いません。実際は2秒ぐらいしか経っていないかもしれませんが、4秒かけて打つという意識が大切なんです。ボールをしっかりと見て、スイングリズムが早くならなければ、間違いなくミスショットは減ります。
できれば、両手が左腰の高さにくるまではボールがあったところを見ておくべきです。体の開きを抑えられ、ミート率が上がります。ただし、それ以上顔を残すと、体の構造上、フィニッシュをとれなくなるので気をつけて下さい。
ボールを見ようとしないため、インパクト前に顔が上がってしまいます
アドレスに入ったらしっかりと目を見開いてボールを2秒間見ましょう
アドレスからフィニッシュまで4秒かけてスイングする意識を持つと、打ち急ぎを防げます
両手が左腰の高さにくるまではボールが合ったところを見ましょう。ただし、それ以上見続けると、フィニッシュをとれなくなるので要注意です
◆ボールのてっぺんにあるディンプルを見よう
目を見開いてボールを2秒間見て下さいと言ったことには理由があります。
実は、アベレージゴルファーとプロゴルファーがボールを見る時間を計測した結果、アベレージゴルファーはほとんど見ていないという数値が出たんです。
もちろん、顔を下に向けているので視界にはボールが入っています。しかし、ボールが周りの景色と同化し、景色ごと見ているのと同じなんです。見えているのであって、見ているわけじゃありません。それこそボールに書いてある文字を見ているプロとは大違いです。どちらがボールをしっかりととらえているかは言うまでもないでしょう。
これは単なる技術の差だけではないと思います。逆にいえば、アベレージゴルファーでもボールを凝視していれば、ミート率は上がります。
どうしてもボールに視線を集中できないという人は、お風呂に入ったときに、浴槽についている水滴を見てみましょう。一点に視線を集中する習慣をつけることによって、自然とボールのディンプルやネームを見るようになります。
ボールを見るときの注意点は、ボールの右側を見ようとしないことです。体の軸が右に折れ、左サイドが伸びてしまいます。その結果、フィニッシュまで振り抜けないので気をつけましょう。ボールのてっぺんにあるディンプルを見るように心がけるといいでしょう。
ボールの右側を見ると、体の軸が右に折れ、左サイドが伸びる。これもフィニッシュまで振り抜けない原因となります
ボールの真上からディンプルや文字を見るようにしましょう
◆教えてくれたのは、木原睦美プロ
広島県を拠点に全国を飛び回る人気のティーチングプロ。生徒からは「むっちゃん」の愛称で親しまれ、毎週150人以上を指導。
YouTube「木原睦美のHappyゴルフ」で、独自のゴルフ理論を展開中。公式LINEアカウントも開設!
取材・文/山西英希 撮影/山代厚男 撮影協力/PGMゴルフアカデミー銀座