山本優子先生のボールを打たずに15ヤードアップ! 回旋動作を妨げるブレーキを外そう!

『ゴルフ上達関節調律師』として活躍する山本優子氏。聞き慣れない人もいると思いますが、ゴルフのスコアを上げるために必要な体の使い方を研究し、指導する専門家のことを言います。もっと分かりやすく言うなら、ゴルフが上手くなる体の使い方を教えてくれる先生です。しかも、ボールを打つ必要はありません。日常生活やラウンドのスタート前に正しい動かし方を行うだけで、飛距離が15ヤードアップするし、スコアも伸びてしまうんです。まずは実際に体を動かしてみましょう! 第5回は『頸椎くるくる』についてです。

前回の記事:山本優子先生のボールを打たずに15ヤードアップ! 振り幅が大きくなる胸椎の伸展動作

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◆背骨で一番回るのは頸椎の1番目と2番目

前回、背骨は頸椎、胸椎、腰椎の3ブロックから構成されていると説明しました。ここがスムーズに動くことにより、バックスイングやダウンスイングで腰、胸、首が回ります。

ところで、頸椎、胸椎、腰椎の中で、最も回旋動作を多くできる個所、よく回せるところはどこだと思いますか? 正解は頸椎です。この頸椎が本来の回旋動作をしっかり行うことで、背骨全体の動きがよくなります。逆に頸椎の動きが悪いと、体幹を捻転するのが難しくなるわけです。

そこで、今回は頸椎をスムーズに動かす方法を紹介しましょう。ちなみに、頸椎は7つの頸椎がつながっています。そのうち上から1番目と2番目にある頸椎がよく回る部分であり、重要な役割を担っているんです。今回紹介する動作でも、頸椎1番と2番の動きをイメージしながら行いましょう。

第1頸椎(環椎)はリング状の形をしていて、第2頸椎(軸椎)にはそのリングを引っかける突起があります。その突起に刺さったリングがクルクルとスムーズに回ることで、頸椎、ひいては背骨全体を回す動きがよくなります。

頸椎の動きがよくなると、アドレスするときに余計な力みがなくなります

◆仰向けになった状態で首を動かしましょう

それでは頸椎の回旋動作について具体的に説明しましょう。タイトルは“頸椎くるくる”です。まず、空気が半分ほど抜けたゴムボールを床の上に置き、その上に頭を乗せて仰向けになります。ちょうど鼻の真後ろにあるのが第1頸椎なので、そこにボールが当たるようにセットしましょう。やはり、腰が反らないように両ヒザは立てておきます。ゴムボールがなければ、重ねたタオルやクッションでもオーケーです。

両腕を体の横に置き、両肩を床に着けたら、目をつぶって首を左右に回し始めます。大きく動かすのではなく、小さく揺らす感じです。ポイントは第1頸椎のリングに第2頸椎の突起物が通過し、クルクルと摩擦ゼロの状態で左右に滑るように回っている様子をイメージしながら行うこと。このイメージがなければ、単に首を回す運動に終わり、意味がありません。

頸椎はゴルフスイングには関係なさそうに思えますが、ここが正しく動かないと、首と肩周りに力が入り、滑らかなスイングができません。自然に力が抜けているぐらいが一番いいスイングができるので、正しい動きができるようにしておきましょう。

ボールが鼻の真後ろにくるように仰向けになります。足を伸ばすと腰が反るのでヒザは曲げておきましょう

第1頸椎のリングが第2頸椎の突起物に刺さった状態で回っている姿をイメージしながら、めをつぶり、小さく首を左右に振りましょう

取材・文/山西英希 撮影/鈴木祥 取材協力/井山ゴルフ練習場

◆教えてくれたのは…

山本優子 やまもと・ゆうこ/1992年生まれ。柔道整復師。体の改善を行う独自の治療技術「脱力関節調律」メゾットを開発。その技法を用いてゴルフに特化した「ゴルフ関節調律」メゾットも確立。年間の指導実績は1000件以上で、平均15ヤードの飛距離アップに成功。東京・恵比寿のサロン「naturaca」代表。(一社)日本脱力調律協会代表理事。著書に『目かくしゴルフ』がある。

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